新井 勇人院長 港北どうぶつ病院 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.007

誤飲と慢性の嘔吐・下痢・血便
消化器系疾患
誤飲と慢性の嘔吐・下痢・血便
港北どうぶつ病院
新井 勇人院長
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横浜市都筑区に開院してまだ2年程の「港北どうぶつ病院」が面白い。院長の新井勇人先生は長く夜間病院で救急医療に携わり腕を磨いた。そこで身につけた内視鏡の技術を活かし、様々な検査や治療に取り組んでいる。しかし「私の病院の強みは内視鏡ではなくあくまでホスピタリティ」と話す。
「ホスピタリティ=思いやり。つまりいかに動物とオーナーの立場で考えられるかです。例えば、異物を飲み込んでしまった時。オーナーの立場ならなんとか手術しないで対処できないか?と願うはずです。だから手術せずに結果を出せる内視鏡はそのためのツールとしてあるだけです」と話す院長先生だが、詳しくお話を伺うとやはり様々な工夫が見受けられた。(取材日 2017年1月23日)

膨大なデータの蓄積から導き出される異物誤飲への最良の対応を提示します。

―新井先生は犬猫の異物誤飲について造詣が深いと伺いました。

私は夜間救急病院で長く院長を務めていたのですが、そこでは「○○を飲み込んでしまった!」と言って慌てて駆け込んでくる患者さんが大勢来院されました。あまりにも多かったので統計をとってみると、なんと1,500件以上経験していました。そのデータを整理して分析していくと、どのような場合にどのような対応が最適かというノウハウが体系的に構築されてきたので、臨床現場の獣医師に向けた講演や、オーナーへの啓蒙セミナーなどを行い社会に還元する活動を行っています。

―それでは犬猫の誤飲事故についてお話してもらえますか?

まず、これは是非オーナーの皆様にも認識しておいてもらいたいのですが、異物誤飲の異物と言っても二種類あります。一つは食道や腸で詰まったり、鋭く尖って胃に穴をあけてしまったりする可能性のある物理的異物。もう一つは薬品や化学物質、更にはタマネギ、チョコ等の薬理的異物、つまり中毒物です。このどちらに属するかで対応が変わってくるのですが、できる対応策はそれぞれ3つしかありません。物理的異物の場合、1.吐かせる 2.内視鏡で摘出 3.手術でお腹を開いて摘出。中毒物の場合、1.吐かせる 2.点滴や解毒剤などの内科治療 3.胃洗浄です。

―非常にシンプルですね。

簡単な三択と捉えられてしまうとそうなのですが、実際はそんなに単純ではありません。その異物を飲み込んでしまってから、何時間経過しているか? その前後にフードを食べているか? 異物の形状は? 噛み砕いて食べたか? 丸飲みか? 持病は無いか? 等々様々な条件が複雑に絡み合うだけでなく、例えば人間用の飲み薬をシートごと食べてしまったケース。これが結構多いのですが、物理的異物でもあり同時に中毒物でもある訳です。そういう様々なケースの中で最適の対応を組み合わせで考えていかなくてはいけないので一筋縄にはいきません。

―なるほど、途端に複雑な印象に変わります。

このインタビューを読んで、「これを飲み込んだ時はこうすればOK!」みたいな必勝法を期待された方には申し訳ないのですが、そんなに単純ではないのです。一例ごとに最適の対応は全て違います。「家でなんとかしたいので対処法を教えて下さい」という電話が時々ありますが、身体検査をしたり腹部X線検査をしたりという状態の把握なしに、電話の話だけで最適の対応は提示できません。それから、3つの選択肢と言いましたが、実はもう1つ。第4の選択肢があることを忘れてはいけません。それは何もせずに待つという選択肢です。

―何もしないのはオーナーにとって不安ではないですか?

不安でしょうが一番の望みでもあるはずです。無理やり吐かされたり、手術されたりせずに何事も起きなければ、これ以上嬉しいことはありません。要は「これは内視鏡で摘出するのが一番安全だよ」とか「この体重でこの量なら中毒は起こさないから放っておいて大丈夫」とか、専門家によるハッキリした判断をオーナーは欲しがっているはずです。

―その判断の精度を高めるために先生が取り組んでいることがあると伺いました。

シンプルですが、多くの経験を蓄積し徹底してデータ化していることです。ただでさえ救急で普通の獣医師では経験できない数の異物誤飲の診察や内視鏡操作を行ってきたという蓄積に加えて、それを頼りに現在も多数の症例が来院されます。それを全て術後の追跡調査まで行いデータを積み上げることで、最適の対応を自信を持って提示できるようになりました。正直に言いますが過去には色々失敗もやらかしましたが、今では判断を誤ることはほぼありません。私が内視鏡で摘出できますと言ったら確実に摘出できますし、逆に何もしないでも大丈夫と言った場合は大丈夫です。

誤飲と慢性の嘔吐・下痢・血便

港北どうぶつ病院

場所
神奈川県横浜市都筑区 大棚町3004−1 MAP
電話
045-620-5550
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 けが・その他

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