緑の森どうぶつ病院 AZem札幌発寒病院 柘植 勇祐 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.089

治療が難しい犬や猫の副腎腫瘍を、高度な手術技術で根本から治す
腫瘍・がん
治療が難しい犬や猫の副腎腫瘍を、高度な手術技術で根本から治す
緑の森どうぶつ病院 AZem札幌発寒病院
  • 柘植 勇祐 院長
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札幌市西区の「緑の森どうぶつ病院 AZem札幌発寒病院」は、旭川市に本院を置く「緑の森どうぶつ病院」のグループ病院として2023年9月に開院した。ペットがリラックスできるように森を模して造られた院内は、木や土の香りに溢れ、まるで本物の自然の中にいるように過ごすことができる。院長の柘植勇祐先生は外科診療を得意とし、一般的な避妊・去勢手術から高度な手術まで幅広く手掛ける。犬や猫によく見られる疾患「副腎腫瘍」は、中でも難易度が高い手術を必要とし、その上に初期症状が乏しく診断も難しいとのこと。副腎腫瘍の症状や治療法、また同院の特徴について、柘植院長に伺った。(取材日 2024年9月16日)

診断が難しい副腎腫瘍。根本的な解決のためには、手術が第一選択

― ⽝や猫の副腎腫瘍について教えてください。

「副腎腫瘍」は、中高齢の犬や猫によく見られる疾患です。副腎は左右の腎臓の上部に一つずつある臓器で、外側を覆う皮質と内部の髄質から構成されます。それぞれの部位からステロイドホルモンやカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)等の異なるホルモンを分泌し、血圧や電解質、血糖値の調整、抗炎症作用やストレス耐性などの様々な役割を担っています。
副腎に腫瘍ができるとその機能に異常をきたし、様々な症状を引き起こします。腫瘍が発生した部位や細胞により症状は異なり、腫瘍が発生した部位の機能が亢進(ホルモン分泌を促進)する機能性腫瘍の場合は症状が現れることが多く、亢進しない非機能性腫瘍では症状が現れないこともあります。
代表的な例としては、犬では多飲多尿、高血圧による湿疹といった皮膚病などで、猫の場合は次第に痩せていったり、筋肉が萎縮してふらついたりという症状がみられますが、無症状である場合も多いものです。

― 診断は難しいのでしょうか。

副腎腫瘍は、初期段階では特定しづらく、発見できないことも珍しくないものです。体の不調が長引いたり、健康診断の血液検査で異常値が出たりした場合に、超音波検査(エコー検査)を行って初めて発覚することもあります。また、副腎腫瘍には悪性・良性があり、悪性の場合は「副腎腺がん」、良性の場合は「副腎腺腫」と呼ばれます。しかし画像検査だけでは腺がん・腺腫の区別がつかず、手術で腫瘍を摘出して初めて悪性か良性かの診断ができるという難しさがあります。

― 副腎腫瘍の治療⽅法を教えてください。

すぐに命に係わるケースは少ないですが、なるべく早い段階で治療方針を決めなければなりません。外科手術と服薬による内科治療が考えられますが、外科手術が効果的です。
当院でも第一選択として外科手術をお勧めしていますが、副腎の近くには太い血管が走行しているため、手術中の多量出血などの危険から難易度は高くなります。また術後には、肺血栓塞栓症をはじめとする合併症を引き起こすリスクもあります。飼い主様が手術以外の治療を望まれる場合は服薬による治療も可能ですが、結果が思わしくないことも多く、薬の副作用というリスクもあります。

猫は服薬が難しいので、強制給餌や水分補給といった対症療法も行いますが、根本的な解決にはなりません。そのため当院では、高難度ではありますが、元気になる可能性が高い外科手術をお勧めしています。
手術後は合併症の有無やホルモン値の変化を診るため、一定期間入院していただきます。退院後は定期検査による経過観察が必要です。
副腎腫瘍の手術・治療の経験豊富な院長が、飼い主様のご希望に寄り添いながら一緒に治療方針を考えていきます。メリットだけではなくリスクも含めてお話ししますので、気になる点はご相談ください。

高度な外科手術や、グループ院と連携した診療・治療が強み

― 柘植先⽣は外科を得意とされていると伺いました。

これまで大学病院等の一般外科や腫瘍外科などで、幅広い臨床経験を積んできました。その過程で、自分の技術を最大限に発揮して初めてペットの命を救うことができる手術という治療に、大きなやりがいを感じるようになったのです。退院したペットが元気にお家に帰り、飼い主様が笑顔になってくださるのも嬉しいことですね。現在は、内視鏡手術から比較的難易度の高い腫瘍摘出のような手術まで、ほぼ毎日外科治療を手掛けています。グループ内の病院から執刀を頼まれることもあり、これまで身につけた技術でペットの健康を支えられることが大きな喜びです。

― こちらの院内は、木に囲まれているかのような雰囲気ですね。

「AZemの森ナーシングパーク」という、自然をイメージした空間です。樹木や牧草の香り、土の匂いを感じていただいて、都会で暮らすペットや飼い主様にリラックスしていただきたいと思っています。待合室や診察室はワンちゃんネコちゃんが完全別室になっていますので、ほかの動物が苦手な子も安心してご来院ください。

― 貴院の特徴を教えてください。

一番の特徴は、緑の森どうぶつ病院グループ内でカルテを共有していることです。例えば当グループのさっぽろ病院にかかっているペットが、休診日に調子を悪くしたとしましょう。その際、年中無休で診療を行っている当院を受診していただくと、カルテ情報があるので速やかな治療が可能となります。些細なことでも構いませんので、異変に気が付いたらお早めにご来院ください。

ドクターからのメッセージ
  • 柘植 勇祐 院長

当院ではペットとご家族が少しでも長く、良い時間を過ごしていただきたいという思いで治療に努めています。飼い主様に病気についての理解を深めていただくために、ご説明の際に状態を絵に描いて説明したり、例えを用いたりするなどの工夫を行っています。ご不安や疑問に思うことがありましたら、ぜひお気軽にご質問ください。

治療が難しい犬や猫の副腎腫瘍を、高度な手術技術で根本から治す
治療が難しい犬や猫の副腎腫瘍を、高度な手術技術で根本から治す

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住所
北海道札幌市西区発寒7条14丁目17-11 AZem札幌発寒店内
電話番号
050-5538-3991
駐車場
あり(30台)
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 けが・その他 軟部外科