さだひろ動物病院 貞廣 優子 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.043

口の中のしこり~ネコの口腔内腫瘍、扁平上皮癌の治療~
腫瘍・がん
口の中のしこり~ネコの口腔内腫瘍、扁平上皮癌の治療~
さだひろ動物病院
貞廣 優子 院長
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新松戸駅から徒歩10分の「さだひろ動物病院」は、循環器科や腫瘍科の診療を得意とする病院だ。口の中にできる腫瘍は悪性で予後が悪いものが多く、ネコに多くみられる扁平上皮癌も例外ではない。「よだれに血が混ざっている」「フードの食べ方が変わった」などの口腔内腫瘍の症状がみられた場合、早期に診断を行うことが重要。根治が難しい病気ではあるが、状態に応じて延命やQOLの改善を目指した緩和療法を行うことができる。手術を施すことができれば、痛みを軽減させられるという。「最後までオーナー様と幸せに暮らしてほしい」と話す貞廣優子院長に、猫の扁平上皮癌の治療と手術について伺った。(取材日 2021年1月15日)

口の中のしこりの8割は悪性腫瘍。よだれに血が混じっていれば早めの受診を

― 猫の口腔内腫瘍について教えてください。

ネコの口の中にできるしこりの約80パーセントが悪性腫瘍だと言われています。口腔内にできる悪性腫瘍は、大きくなったり、周辺の組織へ広がったりする(浸潤)速度が早く、完治が難しいがんの一つです。そのため、口の中にしこりができた場合は、ただの口内炎であるのか、腫瘍であるのかを早急に判別することが重要です。良性腫瘍では歯肉腫(エプリス)、悪性腫瘍では線維肉腫、メラノーマ、扁平上皮癌などがあります。特にネコでは扁平上皮癌が多く見られます。
口腔内腫瘍は、口の中を見る機会が少ないため発見が遅れがちになる病気です。「ドライフードを食べるのを嫌がる」「食事のときに頭を振る」「口を気にして掻く」「よだれに血が混じっている」「首を傾けたままじっとしている」などの症状がありましたら、早めに病院にご相談ください。

― 扁平上皮癌の特徴はありますか?

視診では腫瘍の種類を特定できないので、腫瘍の一部を切り取り、病理診断をして腫瘍の種類や悪性度を評価します。また、レントゲンや必要に応じてCT撮影をすることで、腫瘍の広がりを確認します。
扁平上皮癌は、ほかの臓器への転移は少ないですが、進行が早く、骨の中にも浸潤して激しい痛みを引き起こします。無治療での平均生存期間は3か月であり、非常に予後の悪いがんです。進行すると、口腔内が膿んで悪臭を放ち、痛みからごはんが食べられなくなり衰弱死につながります。ネコちゃん自身にとっても看護をするオーナー様にとっても辛い病気です。腫瘍のある場所や進行度合いにより、治療方法と治療目的が変わります。

― 治療はどのように行うのでしょうか?

外科手術が第一選択となり、早期に手術を行うことで腫瘍をすべて切除することが理想です。ですが、扁平上皮癌は口の中のどこにでも発生するので、切除できない部位にできることもあります。外科手術が難しいケースや、骨の中で広範囲に浸潤してしまっているケースでは、放射線療法も検討します。
扁平上皮癌は、残念ながら既に完治が目指せない状態で見つかることも多くあります。その場合は、QOLの維持と痛みの軽減を目的として、安らかに命をつないでいく緩和療法を選択します。「手術を行うか」「残された時間をどのように過ごしていきたいか」など希望を伺いながら、オーナー様と一緒に治療計画を立てていきます。

口の中のしこり~ネコの口腔内腫瘍、扁平上皮癌の治療~

さだひろ動物病院

場所
千葉県松戸市新松戸3丁目289 MAP
電話
047-700-5118
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他 軟部外科

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