横浜山手犬猫医療センター 川合 智行 先生 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.036

膝の関節疾患(膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂)
整形外科系疾患
膝の関節疾患(膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂)
横浜山手犬猫医療センター
川合 智行 先生
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横浜市中区「横浜山手犬猫医療センター」は、内科・皮膚科・循環器科など幅広く診療をしているが、整形外科診療にも力を入れている。「仔犬のうちから来てもらっているから早く異常に気づける」と話す川合智行先生は、大学時代から上田一徳院長と切磋琢磨しあった外科のスペシャリスト。成長とともに膝関節に異常がでるケースは多く、特に小型犬では半数以上で膝の皿が外れてしまうという。同院では、そのような疾患に対して、投薬や運動制限、リハビリテーション、手術など複数の選択肢から最適な治療を提案している。「歩けるようになって帰ってもらうことが何よりも嬉しい」と話す川合先生に、膝蓋骨脱臼と十字靭帯断裂の治療について伺った。(取材日 2020年3月12日)

膝のお皿がはずれる膝蓋骨脱臼。歩き方や座り方に変化が出たら要注意

― 膝関節の病気にはどのようなものがありますか?

若い子は膝蓋骨脱臼の症例が圧倒的に多く、高齢になると十字靭帯断裂もよくみられます。「散歩中にスキップのような歩き方をする」「お座りをするときの体勢が変わった」などの変化は飼い主さんが気づきやすい症状です。健康診断やフィラリア予防などで来院された際に、膝を触ってはじめて異常に気づくことも多くあります。骨折などとは異なり、徐々に進行して症状が現れるケースが多いことが特徴です。歩き方や座り方の異常だけでは膝関節以外の原因も考えられるので、股関節、膝、足首と、どこが悪いのかを一つひとつ確認して診断を行います。

― 膝蓋骨脱臼について教えてください。

犬種を問わず発症しますが、小型犬では特に多く半分以上の子が罹患しています。症状が出ていない子であっても、膝を触るとゆるんでいる子が多いですね。膝蓋骨と呼ばれる膝のお皿部分がはずれることで、筋肉や靭帯がひっぱられ、違和感や痛みが生じます。進行すると、痛みで歩けなくなるだけでなく骨も曲がります。小型犬では内側にはずれていることが多いですが、トイプードルでは内側と外側両方にはずれてしまうケースが多いようです。内側に対する治療だけを行った場合は再手術になる可能性もありますので、注意が必要です。
症状の進行度合いにより4段階のグレードに分けられ、グレードとその子自身の痛みの現れ方や年齢を加味し、飼い主さんと一緒に治療内容を検討します。「この状態になったら治療を開始しましょう」といったアドバイスもしています。

― 膝蓋骨脱臼はどのように治療するのでしょうか。

鎮痛剤やレーザー治療により症状を緩和させる方法と外科手術の2種類がありますが、完治をさせるためには手術が必要です。グレード3が手術の指標となりますが、当院ではグレード2であっても若い子でびっこをひいていれば手術の提案をしますし、グレード3であっても高齢で症状が出ていなければ手術は行いません。特に若い子では、膝蓋骨脱臼が原因で後々に十字靭帯を傷めてしまう可能性があるため、飼い主さんとよく話し合い予防的な手術を行う等の治療方法を決定しています。
手術をした場合、3日程度入院してから帰宅します。激しい運動を控えれば、すぐにお散歩に行けます。術後翌日から歩き回る子もいますし、「足をついたら痛いはず」と足を使わないようにする慎重な子もいます。性格や膝の状態にあわせ、ケアの方法をお伝えしています。

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膝の関節疾患(膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂)

横浜山手犬猫医療センター

場所
神奈川県横浜市中区柏葉27−4 アーバンヒルズ1F MAP
電話
045-228-8711
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他 軟部外科

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