頼れる獣医が教える治療法 vol.025
レッグペルテスは「大腿骨頭壊死症」とも呼ばれ、成長期の小型犬で多く見られます。股関節部分にある大腿骨の骨頭の血流が阻害され、骨が壊死し形成不全を起こす病気です。原因は分かっておらず、若齢の子のみに起こります。歩くときにケンケンやスキップなどの跛行が見られたら要注意です。慢性的に痛みが伴うと左右の足で筋肉の付き方も変わってきます。
鎮痛剤でコントロールできるケースは少なく、多くの場合は痛みの原因である骨頭を取り除く「大腿骨頭切除術」を行います。関節の一部を取ることに不安を感じるかもしれませんが、骨頭を切除しても靭帯や筋肉が骨をしっかり支えますので、元気に歩いたり走ったりできるようになります。手術時間は30分程度で、3,4日の入院を要します。手術後は安静にしなければいけないですが、その後は無理をしない程度に足を動かしリハビリをすることが大切です。
こちらも小型犬で非常に多いですね。膝のお皿が外れてしまう病気です。膝の動き方によって、4段階のグレードに分けられます。症状が進行してグレード3や4になると手術が必要になるというわけではなく、「痛み・違和感があるか」「びっこをひいているか」といった症状の有無で手術の可否を判断します。グレード1でも、お皿が外れた時の痛みが強く出たり繰り返し外れたりするようであれば、手術を行うこともあります。
症状が出ていなかったとしても、健康診断やワクチン接種のときに見つかることもあります。数か月齢の仔犬の場合、そのまま成長すると骨が変形して歩行が困難になる可能性もあるため、治療内容の判断を慎重に行います。すぐに手術が必要ない場合には、5年後、10年後の予測や家庭での気を付けるポイントをお伝えしています。
横浜青葉どうぶつ病院
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膝蓋骨脱臼は早期の診断と治療介入が重要。術後は遊びと訓練を合わせたリハビリで機能の回復を図ります。
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