犬猫の外耳炎に、オトスコープで効果的な検査・治療を
外耳炎は早期発見が大切。人とは違う犬猫の耳には、オトスコープでの検査・治療が効果的です。
- 後藤 慎史 院長
目次
当院は1951年に開院し、70年以上にわたり多くのワンちゃん・ネコちゃんの健康を支えてきました。さらに先代の三枝早苗院長になってからは、創業者の志を受け継ぎつつ皮膚科系疾患の治療に注力、九州から東北までの幅広いエリアから今も定期的に通われている飼い主様がいらっしゃいます。また、耳も大きな括りのなかでは皮膚に属するため、耳の治療も得意としてきました。現在では耳の内視鏡であるオトスコープを導入し、より正確な診断と的確な治療を実現しています。
近年はアレルギー性の疾患が目立ち、なかでも多くの割合を占めているのがアトピー性皮膚炎や食物アレルギーです。生活環境や食生活の近代化による影響と考えられ、人間にも同じような傾向が見られるといわれています。飼い主様にお伝えしたいのは「執拗に舐めたり掻いたりという様子が3日続いたら、病院に連れて行ってあげてください」ということです。とくに耳科疾患において、犬や猫は耳道が長く、外見からは異常がわかりにくいので注意が必要です。そして、そのような皮膚科および耳科疾患からペットを守り、飼い主様からのご期待に応えることは獣医としての使命です。私は「アジア獣医皮膚科学会」の理事を務めており、常にペットの皮膚科系疾患に関するトレンドにアンテナを張りながら、病気への理解を深められるよう努めています。
扱っている薬などは、どこの動物病院もほとんど同じだと思います。そのなかで当院の強みといえるのは、長年の実績により培われた豊富な知見を活かし、飼い主様に多様な選択肢を提供できることではないでしょうか。たとえば「これまで治療をしてきたけれどよくならなかった」と来院された飼い主様に対し、「では別の治療を試してみましょう」と幅広い提案ができるということです。
そして、そのベースにあるのが「正確な診断」です。正しく診断し、原因や症状に応じた間違いのない治療法を選択する。当院に受け継がれてきた皮膚科系疾患における膨大な情報と経験があるからこそ、そのような強みを発揮できると考えています。
私が院長に就任してから取り組み始めたのですが、きっかけは私の飼っているワンちゃんでした。「病気であれば治療することができるけれど、この子が加齢によって弱ったら私は何もしてあげられないのでは」という不安がよぎったのです。そこで、ペットよりも研究が進んでいる、人間の「日本抗加齢(アンチエイジング)医学会」に参加し、勉強を重ねました。現在当院では人間の抗加齢医学をもとに、手軽にお試しいただける各種サプリメントをはじめ、点滴・注射など10種類のエイジングケアを用意し、年齢や症状に応じたオーダーメイドのケアを提供しています。詳しくは、当院のホームページにてご確認ください。
私はエイジングケアを、加齢による様々な病気や変化に抗うワクチンのようなものと考えています。ですので、それこそ0歳からでも早すぎるということはありません。ビタミンやミネラルは年齢を問わず全身に好影響を与えますので、若いうちから始めることが非常に大切です。関節や腎臓、脳などを対象としたピンポイントのエイジングケアもありますし、すこやかな生活を少しでも長く送らせてあげるために、ぜひご検討いただきたいですね。
エイジングケアは定期的かつ継続的に行うことが効果的ですが、費用面の負担もあります。ですから獣医として、確かな根拠のあるケアを提供しなければなりません。そこで私は、人間を対象とした「日本抗加齢医学会」でエイジングケアについて学び、指導士資格を取得しています。人間の医療がマウスなどのデータから確立されているように、人間のエイジングケアをペットに応用できるところも必ずあるはずです。「いつまでも元気でいてほしい」という飼い主様の願いに少しでも貢献できるよう、これからも学びを怠らず精進してまいります。
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血液系疾患患者のための輸血外来を設置。腫瘍や慢性疾患等のセカンドオピニオンにも積極的に対応します。
ペットと長く楽しく過ごせる治療を選択するために、高度な機器と技術で消化器型リンパ腫を診断します。
ペットにも起こる、腎不全と心腎関連症候群。細やかに状態を把握し、適切な治療を行う必要があります。