定期的な検診で、猫の「肥大型心筋症」を早期発見・早期治療
猫に多い心臓病「肥大型心筋症」は、予防も完治もできません。検診により、症状が出る前に発見しましょう。
- 森 伸介 院長
頼れる獣医が教える治療法 vol.089
目次
「副腎腫瘍」は、中高齢の犬や猫によく見られる疾患です。副腎は左右の腎臓の上部に一つずつある臓器で、外側を覆う皮質と内部の髄質から構成されます。それぞれの部位からステロイドホルモンやカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)等の異なるホルモンを分泌し、血圧や電解質、血糖値の調整、抗炎症作用やストレス耐性などの様々な役割を担っています。
副腎に腫瘍ができるとその機能に異常をきたし、様々な症状を引き起こします。腫瘍が発生した部位や細胞により症状は異なり、腫瘍が発生した部位の機能が亢進(ホルモン分泌を促進)する機能性腫瘍の場合は症状が現れることが多く、亢進しない非機能性腫瘍では症状が現れないこともあります。
代表的な例としては、犬では多飲多尿、高血圧による湿疹といった皮膚病などで、猫の場合は次第に痩せていったり、筋肉が萎縮してふらついたりという症状がみられますが、無症状である場合も多いものです。
副腎腫瘍は、初期段階では特定しづらく、発見できないことも珍しくないものです。体の不調が長引いたり、健康診断の血液検査で異常値が出たりした場合に、超音波検査(エコー検査)を行って初めて発覚することもあります。また、副腎腫瘍には悪性・良性があり、悪性の場合は「副腎腺がん」、良性の場合は「副腎腺腫」と呼ばれます。しかし画像検査だけでは腺がん・腺腫の区別がつかず、手術で腫瘍を摘出して初めて悪性か良性かの診断ができるという難しさがあります。
すぐに命に係わるケースは少ないですが、なるべく早い段階で治療方針を決めなければなりません。外科手術と服薬による内科治療が考えられますが、外科手術が効果的です。
当院でも第一選択として外科手術をお勧めしていますが、副腎の近くには太い血管が走行しているため、手術中の多量出血などの危険から難易度は高くなります。また術後には、肺血栓塞栓症をはじめとする合併症を引き起こすリスクもあります。飼い主様が手術以外の治療を望まれる場合は服薬による治療も可能ですが、結果が思わしくないことも多く、薬の副作用というリスクもあります。
猫は服薬が難しいので、強制給餌や水分補給といった対症療法も行いますが、根本的な解決にはなりません。そのため当院では、高難度ではありますが、元気になる可能性が高い外科手術をお勧めしています。
手術後は合併症の有無やホルモン値の変化を診るため、一定期間入院していただきます。退院後は定期検査による経過観察が必要です。
副腎腫瘍の手術・治療の経験豊富な院長が、飼い主様のご希望に寄り添いながら一緒に治療方針を考えていきます。メリットだけではなくリスクも含めてお話ししますので、気になる点はご相談ください。
これまで大学病院等の一般外科や腫瘍外科などで、幅広い臨床経験を積んできました。その過程で、自分の技術を最大限に発揮して初めてペットの命を救うことができる手術という治療に、大きなやりがいを感じるようになったのです。退院したペットが元気にお家に帰り、飼い主様が笑顔になってくださるのも嬉しいことですね。現在は、内視鏡手術から比較的難易度の高い腫瘍摘出のような手術まで、ほぼ毎日外科治療を手掛けています。グループ内の病院から執刀を頼まれることもあり、これまで身につけた技術でペットの健康を支えられることが大きな喜びです。
「AZemの森ナーシングパーク」という、自然をイメージした空間です。樹木や牧草の香り、土の匂いを感じていただいて、都会で暮らすペットや飼い主様にリラックスしていただきたいと思っています。待合室や診察室はワンちゃんネコちゃんが完全別室になっていますので、ほかの動物が苦手な子も安心してご来院ください。
一番の特徴は、緑の森どうぶつ病院グループ内でカルテを共有していることです。例えば当グループのさっぽろ病院にかかっているペットが、休診日に調子を悪くしたとしましょう。その際、年中無休で診療を行っている当院を受診していただくと、カルテ情報があるので速やかな治療が可能となります。些細なことでも構いませんので、異変に気が付いたらお早めにご来院ください。
猫に多い心臓病「肥大型心筋症」は、予防も完治もできません。検診により、症状が出る前に発見しましょう。
高度な医療に身近な相談まで、「寄り添う診療」を人と動物へ提供。複合施設「ハルニレほっぽ」も魅力です。
犬猫別の入口、専用待合室と診療室を備えつつ、森の中のような環境でお待ちしています。往診も対応します。
予約診療制で時間をかけてじっくり対話し、飼い主様と動物の立場で診療することを大切にしています。
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犬や猫の副腎腫瘍の治療には、定期的な検診による早期発見と、経験豊富な医師による手術が鍵です。
日ごろから様子を共有し、犬の循環器疾患を早期発見。医師と飼い主さんの二人三脚で見守っていきましょう。
「ソファから落ちた」などでも発生する、小型犬の骨折。ちょっとした違和感でもお早めにご相談ください。