上田 憲義院長 花咲く動物病院 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.006

うさぎの子宮腺癌とフェレットのインスリノーマ
腫瘍・がん
うさぎの子宮腺癌とフェレットのインスリノーマ
花咲く動物病院
上田 憲義院長
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フェレットのインスリノーマは血糖値のコントロールが必要な慢性疾患です。

―フェレットのインスリノーマとはどのような病気ですか?

高齢のフェレットに多く見られる慢性疾患です。膵臓の「ランゲルハンス島β細胞」というインスリンを分泌する組織に「インスリノーマ」という腫瘍ができる病気で、この腫瘍から通常よりも多量のインスリンが分泌されるようになり、低血糖症を起こします。つまり、通常は食事をすると血糖値が上がるものですが、インスリノーマになると、いくら食べても、血糖値が下がってしまうという状態になります。4~5歳以降になると増加し、悪化すると死んでしまうこともあるフェレットに多くみられる病気です。

―主な症状を教えてください。

初期には、食べ残しが増える、なんとなく元気がない、動きが鈍い、寝起きが悪いといった症状が見られます。こうした症状がある場合は、要注意です。症状が進むと、さらに元気がなくなり、よだれを出したりふるえたりする場合もあります。動きが鈍るため、筋肉の量が減り、体重も落ちてきます。さらに進行すると、激しいけいれんを起こしたり、意識を失ったり、ギャーッという鳥の鳴き声のような声をあげたりといった発作を起こします。これは、生命活動を維持しようとする一種の防衛反応です。この状態が長く続くと、命の危険や脳にダメージを負う可能性があります。

―診断から治療までの流れを教えてください。

腫瘍であるため、基本診断は病理検査によって確定しますが、症状が見られる場合は、血液検査によって、まずは低血糖症かどうかを診断します。フェレットの血糖値が60mg/dl以下の場合はインスリノーマの疑いがあります。
治療方法は、腫瘍の摘出手術か投薬治療の二つになります。治療の進め方や方法は、フェレットの状態を見ながら、費用的なご相談も含めて飼い主さんとの話し合いで決めていくことになります。

―手術と投薬治療ではどちらがより有効ですか?

フェレットの状態にもよるので一概にどちらが有効とは言い切れませんが、腫瘍がインスリンを多量に分泌するため、それを減らそうと考えると、理屈上は開腹して腫瘍を摘出する、つまり手術をするのが一番よいということになります。摘出した組織の病理検査をしなければ、インスリノーマと診断も確定しません。
ただし、腫瘍は米粒より小さく無数にあり、肉眼で確認できない部分にも潜んでいるため、手術ですべてを取りきることは困難です。しかし、手術で完治しないとしても、投薬治療のみの場合より血糖値が目に見えて改善するケースが多いため、当院では第一選択として手術をおすすめしています。手術をした上で様子を見ながら投薬治療という流れが一般的です。

―投薬治療はどのようなお薬を使うのでしょうか。またどのような効果が期待できますか?

プレドニゾロンなどのステロイド剤や、ジアゾキシドなどのインスリン分泌抑制剤を経口投与して、血糖値をコントロールします。どちらかだけを使う場合とふたつを併用する場合があります。プレドニゾロン(ステロイド)の長期服用は副作用のリスクがあるため、注意が必要です。ジアゾキシドは、ステロイドに比べて副作用は少ないですが、薬価が高いというデメリットがあります。それぞれ一長一短があるため、飼い主さんと相談しながら使用します。
インスリノーマは慢性疾患なので、投薬を続けても徐々に悪化していきます。いずれの薬も腫瘍に対しては直接的には効果がなく、あくまでも血糖値を維持するためのもので、完治を目的としたものではないことをご理解ください。

―転移や再発の可能性はありますか?

転移することは少ないですが、再発の可能性はあります。その場合は、再手術が可能です。1度手術を受けて改善した方は、2回目も手術を希望されることが多いようです。同じフェレットに3回の摘出手術を行った経験があります。手術の前後のインスリンの量を比較し、減っていれば成功という評価になります。

―インスリノーマに対して気を付けること、取り組むべきことはありますか?

インスリノーマは予防することができない病気です。すでに病気を持っているのであれば、食事を残さずに食させること。食べないと悪化してしまいます。食事回数をできるだけ増やし、血糖値が下がらないようにしてあげてください。自力で食べない子には飼い主さんが与えてください。3時間おきの食事が理想です。
発作を発症した場合は、ブドウ糖を補給して、病院へできるだけ早く連れて行くようにしてください。ブドウ糖を補給すれば一時的に発作が治まることもありますが、それはあくまでも応急処置です。糖質を補給するとその分インスリンが出るので、またすぐ悪化する場合があります。

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うさぎの子宮腺癌とフェレットのインスリノーマ

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