ペットのため学び続ける、皮膚とエイジングケアのスペシャリスト
長年信頼を寄せられている皮膚科系疾患の治療に加え、ペットのエイジングケアにも力を入れています。
- 北川犬猫病院 東京都板橋区南常盤台
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- 後藤 慎史 院長
頼れる獣医が教える治療法 vol.074
目次
2024年3月7日から、新病院で診療を始めています。実は開業した頃から10年後を目安に広い場所へ移転できたらと計画していたのですが、良いご縁のおかげで少し早めに実現することができました。
新病院には、長年温めていたアイデアを多数取り入れています。中でもこだわったのは、わんちゃん、猫ちゃんそれぞれの待合室と診察室、お子さん連れで来院される方のためのキッズスペース。そして、併設するペットホテルやしつけ教室で使用するドッグラン「ワンルーム」です。またこれらに加えて、スタッフが利用する設備も充実させました。快適で安心できる空間になるよう、今後も改良を重ねる予定です。
手術用顕微鏡や緑内障治療用レーザーをはじめとする高度な眼科治療用設備を導入しており、緑内障の治療にも対応しています。角膜潰瘍や睫毛異常(逆さまつげ)などの一般的な眼科疾患を診る機会は他の動物病院と同じ程度だと思いますが、白内障や緑内障については症例数が多いのではないでしょうか。眼科疾患は診療全体の約1~2割を占めており、他院からの紹介やご自身で調べて遠方から来院されるオーナー様も多いですね。
私が目指すのは、“1.5次”診療です。眼科の治療は、かかりつけ医で提供する“一次診療”と高度医療を担う“二次診療”ではできることにかなりの開きがあり、二次診療での治療が必要かどうかを判断できる一次診療の動物病院は決して多くありません。その結果、それほど高度な治療を必要としない症例まで二次診療の動物病院へ紹介されているケースが数多くあるのです。一次診療と二次診療を繋ぐ1.5次診療があれば、二次診療の動物病院は本来取り組むべき治療に専念できます。それは治療を必要とする動物にとっても良いことでしょう。1.5次診療を提供することで、私は一次診療と二次診療の橋渡し役になりたいと思っています。
緑内障は眼圧が上がることで視神経や網膜がダメージを受け、失明へとつながる病気です。また痛みを伴う病気でもあります。
緑内障には遺伝的な要因が強い「原発性緑内障」と、他の病気に起因して発症する「続発性緑内障」の2種類があり、前者は柴犬やアメリカン・コッカー・スパニエル、シーズー、チワワなどに多く見られます。
初期症状としては目の充血、目を擦る、しょぼしょぼする、食欲が低下するなどがみられ、進行し悪化すると失明し、眼球が大きくなっていきます。緑内障の治療はスピードが重要です。発症からできるだけ早期に診断し、3日以内に治療をしなければ視覚の維持は難しいでしょう。
ところが、初期症状は結膜炎や角膜の傷などと症状が似ていることから、間違って診断されることもあります。症状がみられたときは緑内障の可能性を踏まえてすぐに受診し、必要な検査を受けていただきたいですね。
初期治療では緊急的に目薬で眼圧を下げ、その後は正常値を維持できるようにコントロールします。ただし、進行を止めることは難しいため、視覚を温存できる場合は早期に外科手術をするかどうかの判断が必要です。
緑内障の手術には、眼圧上昇の原因である房水(角膜と水晶体の間を循環する液体)の排出を促す方法と、房水の産生を抑制する方法の2つがあります。
1つは房水を排出するための医療用チューブを目の中にいれる「隅角インプラント手術」。もう1つは房水を産生する毛様体にレーザーを照射して、産生量を減らす「毛様体レーザー手術」です。レーザー手術の中にも複数の種類がありますが、当院では「マイクロパルスレーザー」を用いた治療を行っています。
マイクロパルスレーザーは従来のレーザー治療と比べて低エネルギーで照射できるため、合併症のリスクが低く、術後の炎症反応を大幅に抑制することが可能。さらに様々なステージの緑内障に対応し、反復治療ができる点も大きな特長です。切開しない短時間の手術なので、身体的な負担も軽減できます。
ただし、緑内障手術の適応かどうか、手術の成績等には個体差があるため、まずはご相談いただきたいです。
病気の治療だけでなく、予防やトリミングも含めて総合的なケアを提供できる動物病院です。トリミングでは皮膚が弱い子や持病を抱えている子、高齢犬にも対応しており、それぞれに合わせて負担の少ないケアを実施。獣医師や看護師が毎回全身チェックを行っており、過去には小さな乳腺腫瘍を発見したこともありました。
またトリミングと一緒に予防のお薬を受け取ることもでき、安心と利便性の両面からお任せいただいています。
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長年信頼を寄せられている皮膚科系疾患の治療に加え、ペットのエイジングケアにも力を入れています。
飼い主様だけでなく、地域の獣医師からも紹介先として頼りにされる、外科治療専門の動物病院です。
発症後の致死率は9割を超える猫伝染性腹膜炎(FIP)。豊富な治療実績を基に、難病から愛猫を救います。