マイスター動物病院 下田 正純 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.064

犬と猫の乳腺腫瘍の治療、外科手術とホルモン療法について
腫瘍・がん
犬と猫の乳腺腫瘍の治療、外科手術とホルモン療法について
マイスター動物病院
下田 正純 院長 齊藤 文博 副院長 堀井 獣医師 岩田 看護スタッフ
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横浜・山手の閑静な住宅街にある「マイスター動物病院」は、腫瘍の治療に力を入れている。お腹のしこりとして飼い主に発見されやすい乳腺腫瘍は、女性ホルモンの影響を受け発生するため、未避妊のメスに多い病気である。犬では半数が乳腺の過形成や良性腫瘍だが、猫では9割が悪性腫瘍であり、命に関わることもある。治療は手術が第一選択となるが、同院では手術と併せてホルモン療法を実施。術後の再発を1/10程度に抑えることができるという。治療の幅の広さと、20名を超えるスタッフが支える診療体制が魅力の病院だ。外科を専門とする下田正純院長から乳腺腫瘍について、齊藤副院長と堀井先生、岩田看護スタッフからは同院の特徴について伺った。(取材日 2022年10月28日)

手術が第一選択の乳腺腫瘍。ホルモン療法を併せて、再発率を1/10に

― 犬と猫の乳腺腫瘍について教えてください。

下田先生:乳腺の細胞が腫瘍化することで起きる病気です。女性ホルモンの影響を受けて発生するため、避妊手術をしていないメスに多い病気ですが、まれにオスでも発生します。イヌでは良性・悪性と様々なケースがあり、ネコでは悪性が多く、悪性の乳腺腫瘍が一般的に“乳がん”と呼ばれる病気です。良性でも放置するとがん化するケースもあるので、早めに切除することが望ましいです。
乳腺腫瘍と紛らわしい肥満細胞腫や脂肪腫などの腫瘍もあるので、まずは針で細胞を採取して行うFNA検査(細胞診)でその種類を診断します。またイヌでは、乳腺腫瘍ではなく乳腺炎であるケースも多く見られます。
イヌやネコの乳腺は4、5対あるので、複数の乳腺に腫瘍が発生する可能性があります。左右のどちらか片側にできている場合は転移しにくいですが、左右両側にできている場合は転移する可能性が上がります。肺やリンパ節に転移すると、乳腺を切除するだけでなく薬物療法も必要ですが、ヒトより効果は低いです。

― 乳腺腫瘍の治療はどのように行うのでしょうか?

下田先生:治療の第一選択は外科的に切除をすることです。乳腺のしこりが小指大以上の大きさであれば、迷わずに切除しましょう。小指の大きさになっている場合には良性腫瘍であってもがん化するリスクが高いのです。手術をする際は、しこりの発生部位に合わせて切除方法を検討します。乳腺腫瘍が1か所だけであれば1つのみ、脇に近い乳腺と鼠径部に近い乳腺のように距離が飛んで複数発生している場合は片側を全部取る、といったように手術の内容が変わります。手術後は切除した部位の病理組織検査を行い、2、3か月後には転移していないか確認するためにレントゲン検査をします。
また当院では、ホルモン療法も実施しています。手術後にホルモン療法を行うと、再発率が1/10程度に抑えられるのです。しこりが粟粒大であれば、切除をしなくてもホルモン療法だけで腫瘍が消失する子もいます。ただし、サイズが大きい場合や複数できている場合には効果が薄いので、治療の適用についてはご相談ください。

― 乳腺腫瘍を防ぐためには、避妊手術をしたほうが良いのでしょうか?

下田先生:繁殖の希望がなければ、1回目の発情が来る前に避妊手術を受けさせることをお勧めします。若いうちに避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生を1/10に抑えることができるのです。
避妊手術をしていない子が乳腺腫瘍になった場合には、同時に行うケースもあります。しかし手術の時間が長くなるので別々の日にすることもあり、飼い主様と相談して決めています。乳腺腫瘍ができたあとに避妊手術をしても腫瘍は小さくなりませんが、新しい腫瘍の発生リスクを軽減することができますし、卵巣や子宮の病気の予防にもつながります。

痛みも出血も少ない手術、複数の獣医師だからこそできる安全性の高い治療

― マイスター動物病院では、手術の設備や人員が揃っていると伺いました。

堀井先生:レーザーメスや血管シーラーなど、侵襲や痛みを軽減するための手術器具をそろえています。執刀は主に院長が行い、助手や麻酔管理は私たち獣医師が担当します。設備や体制の面でも安全性が高いことが当院の手術の特徴です。
当院は10名の獣医師がいて、それぞれ決まった曜日に出勤しています。獣医師の指名がありましたら、曜日をご確認ください。前回と違う獣医師が診察することで違う角度のお話をすることもできますし、同じ獣医師が診ることでわずかな変化に気づくこともできます。

― 齊藤先生が診察の際に意識されていることはありますか?

齊藤先生:なるべく話しやすい環境を作りながら診察することを心がけています。わからないことがあれば聞いてほしいですし、私たちも飼い主様にわかりやすく説明したいと思っています。「これも話しておけばよかった」という後悔や、説明が足りず誤解を生むことをしたくないんです。日ごろペットを見ている飼い主様だからこそ気づけることもありますので、ささいなことでもご相談ください。

― 看護スタッフの立場から見て、マイスター動物病院の特徴はなんでしょう。

岩田看護スタッフ:職員同士の仲がよく、明るい雰囲気の病院だと思います。私も飼い主として愛犬を病院に連れて行くことがあるのですが、明るく接してもらうとそれだけでも気持ちが楽になるので、マイスターに来た飼い主様にも同じように感じてもらえるように心掛けています。当院は看護スタッフよりも獣医師が多いですが、看護スタッフも獣医師も飼い主様も、お互いに気兼ねなく話し合えるのも特徴ですね。動物たちにも雰囲気が伝わっているようで、診察が終わったあとも病院から出たがらない子を見ると嬉しくなります。

ドクターからのメッセージ下田 正純 院長 齊藤 文博 副院長 堀井 獣医師 岩田 看護スタッフ

胸にしこりを見つけたら、早めに獣医師にご相談ください。当院では1週間に数件の乳腺腫瘍の手術を、充実した設備と体制の下に行っています。一方で、若いうちに避妊手術をすることにより、乳腺腫瘍の発生を1/10に抑えることも可能です。避妊手術のメリットやデメリットなど、気になることはお気軽にお聞きください。

犬と猫の乳腺腫瘍の治療、外科手術とホルモン療法について
犬と猫の乳腺腫瘍の治療、外科手術とホルモン療法について

マイスター動物病院

場所
神奈川県横浜市中区千代崎町1丁目3 MAP
電話
045-622-0201
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット モルモット リス 鳥
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他 軟部外科

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