ペットのため学び続ける、皮膚とエイジングケアのスペシャリスト
長年信頼を寄せられている皮膚科系疾患の治療に加え、ペットのエイジングケアにも力を入れています。
- 北川犬猫病院 東京都板橋区南常盤台
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- 後藤 慎史 院長
頼れる獣医が教える治療法 vol.058
目次
比較眼科学会に所属し、眼科診療に特に力を入れています。眼科の診療で多いのは、角膜潰瘍や白内障、結膜炎です。角膜潰瘍は犬でも猫でも多く発生し、白内障は犬で多いのが特徴です。また、猫に特異的な病気では、ヘルペスウイルスが関与する角膜黒色壊死などの診察も行っています。
目の病気は、放置をすると失明してしまうものもあります。点眼治療で治る病気もありますが、手術が必要な病気もあり、専門的な技術を習得している複数人のスタッフと専門の器具がある病院でのみ治療が可能です。当院では、角膜潰瘍や緑内障、チェリーアイ、眼球摘出などの手術を実施しており、白内障以外の主な眼科疾患の手術に対応しています。
角膜は黒目の上にある透明な膜で、この膜が傷ついている状態が角膜潰瘍です。原因はさまざまで、外傷から起こることもあれば、ブドウ膜炎や緑内障、ドライアイなどの目の病気から進行することもあります。年齢を問わず、どの犬種、猫種でも起こる病気ですが、特に短頭種で発症が多いのが特徴です。短頭種の子は眼が大きいだけではなく、実は長頭種に比べて角膜の知覚が弱いので傷を作りやすいのです。またブルドッグや柴犬などの毛が硬い犬種では、自分のまつ毛で傷を作ってしまう子もいます。
症状は、目をしょぼしょぼさせる、片目をつぶっている、黄色い目ヤニが出る、涙が増える、などが見られます。深くまで傷ついていると、角膜浮腫という状態になり眼の色が濁るケースもあります。角膜潰瘍は自然治癒することは少なく、傷が深くなったり細菌感染を起こしたりするので、病院での治療が必要です。
傷がついている位置によって、内科治療を行うか外科処置が必要になるかが変わります。角膜は眼の表面側から、角膜上皮、角膜実質、角膜内皮と三層に分かれており、内皮の上にデスメ膜という膜があります。正確には、実質の露出がなく上皮までで傷が止まっている状態を角膜びらん、実質にまで傷が入っている状態を角膜潰瘍といいます。実質の浅層までの傷であれば点眼で治療ができますが、デスメ膜にまで、あるいは実質の深層にまで傷が達していると手術が必要です。傷の状態は、スリットランプとフルオレセイン染色という検査で調べます。
内科の場合は、コラゲナーゼ(角膜を溶かす酵素)を抑制する点眼液と抗生物質の2種類の目薬、目を保護するためのエリザベスカラーやコンタクトレンズを使います。手術の場合は結膜フラップ術という、結膜を角膜に縫い付けて、まぶたも一緒に閉じさせる処置を行います。目は傷の治りが早い部位で、浅い傷であれば3、4日で治ります。
「角膜潰瘍の治療をしているのに治らない」「治っても角膜潰瘍を何度も繰り返す」といったセカンドオピニオンの相談ではSCCEDs(スケッズ)が多くみられます。これは、角膜上皮と実質の間に硝子膜という膜ができて、角膜上皮がはがれてしまう病気です。角膜潰瘍の治療では治りにくく、SCCEDsであると正しい診断をして、角膜格子状切開など適切な処置を行えば一般的な角膜潰瘍と同期間で治癒します。
水晶体が濁っていく病気です。水晶体はカメラのレンズにあたる役割で、黒目である虹彩の後ろにあります。加齢や糖尿病などが原因となることもあります。ヒトではアトピー性皮膚炎の人は罹患しやすいと言われており、犬でも皮膚疾患のある子は白内障になりやすい印象がありますね。
特に犬の白内障で注意が必要なのは、若い子で急速に進行した場合です。若齢性の白内障は2~3歳でも発症し、数週間で一気に白濁します。急速に進行した場合には、ブドウ膜炎や緑内障などの合併症により、激痛や失明を起こす可能性があるので手術を検討してください。ただし、網膜変性から白内障を起こしている場合には手術をしても視力は回復しないので、手術を適応するかどうかはケースバイケースです。当院では白内障手術は実施しておらず専門機関をご紹介しています。治療方針の決定や術後の管理はしっかりサポートしますのでご相談ください。
誰が聞いてもわかるように説明することです。イラストを描いて説明することが多いですね。また、ほとんどの診療や検査を飼い主様の目の前で実施しています。診療の際は、複数の治療方針や治療内容を提示し、ペットと飼い主様にとって最善の方法になるように一緒に考えることを心がけています。
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長年信頼を寄せられている皮膚科系疾患の治療に加え、ペットのエイジングケアにも力を入れています。
飼い主様だけでなく、地域の獣医師からも紹介先として頼りにされる、外科治療専門の動物病院です。
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