マエカワ動物病院 前川 卓哉 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.054

犬と猫の肥満細胞腫、外科手術および集学的治療
腫瘍・がん
犬と猫の肥満細胞腫、外科手術および集学的治療
マエカワ動物病院
前川 卓哉 院長
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滋賀県栗東市にあるマエカワ動物病院は腫瘍(がん)科診療に力を入れている病院だ。京都府、滋賀県で唯一の獣医腫瘍科認定医Ⅰ種を取得(2021年12月現在)する前川卓哉院長を中心に診療にあたる。肥満細胞腫は犬猫で多くみられる腫瘍であり、皮膚や内臓などに発生する。動物種、部位や悪性度により予後は異なるが、高悪性度のものもあるため早期発見早期治療が重要だ。腫瘍を完全に切除できれば根治を望めることもあるが、顔、脚や内臓など、部位によって完全切除が難しい病気でもある。「断脚を避けたい」「手術以外の治療を知りたい」といった飼い主のセカンドオピニオンを受けて治療を提案する前川院長に肥満細胞腫の治療について話を伺った。(取材日 2022年1月6日)

肥満細胞腫は早期発見早期治療が重要。小さなできものでも、早めの診察を

― 前川先生は腫瘍科認定医Ⅰ種を取得されているそうですね。

自分の実践する腫瘍(がん)科診療が、客観的に正しく、偏りがないか、遅れたものではないか、を確認するために取得しました。腫瘍(がん)科診療で重要なことは「早期発見早期治療」です。普段からよくペットに触り、歯磨きの際に口の中を見て、定期的に体重を測る。おしっことウンチを観察し、お水を飲む量を測ることなども大切です。咳や嘔吐などの目立った症状だけでなく、小さな変化や違和感でも続くようであれば相談してください。大きくなってから大手術をするのではなく、小さなうちに小手術をすることが、最も良い結果を出すことができます。
腫瘍科のセカンドオピニオンでは、切除困難な腫瘍(がん)の外科手術の相談を多くいただきます。大きすぎて切除できない、切除はできても手脚、眼、鼻や耳など体の一部がなくなる、おしっこやウンチがし辛くなる、など術後に機能障害を伴うと判断されたケースでのご相談が多いですね。体表の何処にでも発生する肥満細胞腫の相談は特に多くいただきます。

― 肥満細胞腫とはどのような腫瘍でしょうか?

犬と猫に多くみられる腫瘍で、大きく「皮膚・皮下型肥満細胞腫」「内臓型肥満細胞腫」に分けられます。
皮膚・皮下型は体表のどこにでも発生し、1-2割程度で多発することがあります。発見時には無症状であることも多いですが、進行した場合には全身の倦怠感、消化器症状、虚脱などを引き起こし、もっとも悪性度の高いものでは生存期間が大きく短縮します。内臓型は脾臓、肝臓や消化管などに発生し、多くは来院時に症状を伴っており、皮膚・皮下型に比べ挙動、予後が悪いです。
肥満細胞腫は動物種、発生部位、腫瘍自体の悪性度などによって非常に多様な挙動をとる腫瘍のため、正確に評価を行い、個々の症例に最適な治療を選択することが重要です。

― 完治はするのでしょうか?

適切な時期に適切な治療を施せば、根治も期待できます。重要なのは「ご家族が何を望まれるのか」ということです。完治が難しく積極的な治療を希望されない場合でも、ペットが今後どうなっていくか(予後)をご家族に正しく理解していただき、治療の目的を根治から緩和に切り替えることもあります。

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犬と猫の肥満細胞腫、外科手術および集学的治療

マエカワ動物病院

場所
滋賀県栗東市綣1丁目11−24 MAP
電話
077-554-7007
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他 軟部外科

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