頼れる獣医が教える治療法 vol.004
動物にもアトピー性皮膚炎は有ります。主な症状としては、かゆみ、発疹、ふけ、脱毛などです。
アトピー性皮膚炎というのは、簡単に言えば環境中物質に過剰に反応する免疫異常です。人間もそうですが、現代病と言えるでしょう。
飼っている家の環境、体質、高温多湿な日本の環境、ストレスなどの多種多様の要因が関与していると考えられます。ですが、その機序やなぜ発症するのかは、はっきりとわかっていません。
ダックス、ウェスティ(テリアの一種)、シーズー、コーギー、プードル、フレンチブルドッグなどで多いと思います。ですが、経験ではどの犬種でもアトピー性皮膚炎を起こす可能性があると考えます。
問診や視診、触診、全身状態、過去の病歴や他院での治療経過から検査や診断方法、治療内容を検討します。皮膚の細菌や真菌培養、毛の顕微鏡検査、ウッド灯検査や除去食検査、IgE抗体検査 (血液中のアレルゲン抗体検査)、腫瘍や難解な皮膚病と推測される場合には皮膚の病理検査などをワンちゃんの状態や飼い主様の要望などを考慮して適宜行います。
現時点では体で反応している食餌、樹木、雑草がわかります。たとえば食餌では、牛肉、鶏肉、ミルク、豆、コーン、七面鳥、穀草、オートミール(からす麦)、ポテト、マグロ、たら、人参、えんどう豆などです。その他には蚊や樹木、雑草などの92種類の項目が有ります。IgE抗体検査はそれ自体だけでアレルギー反応の原因と診断は出来ませんが除去食試験の反応結果と合わせて考えて検討すると、アトピーや食餌アレルギーの原因を避けることや推測することが可能です。
当院はシャンプー療法では病院にあるマイクロナノバブル・オゾン装置を使った療法を推奨しています。マイクロナノバブルはゴシゴシと洗浄せずに皮膚の深部まで洗浄するので、皮膚が弱っている時の治療としては非常に皮膚に優しく優れた治療法です。更にオゾンが薬品を使わず皮膚病の元になる細菌や真菌を殺菌します。また抗生剤や消炎剤、免疫抑制剤、抗真菌剤などの服用、塗布など病状に合わせて治療します。減感作療法という免疫療法を行う場合もあります。
また食餌についてもアレルゲンを避けて、できるだけ体のアレルギー反応を避けるようにしています。
アレルギーは治りませんが、上手くコントロール出来ることが多いので、飼い主様とどのようにしたら、楽に幸せに暮らしていけるのか、話し合いながら、納得できる治療を心がけています。
長期治療になるので続けなければ意味がありません。手間や時間、費用の問題やその子に合った治療法など、その辺りを飼い主様と相談して判断していくようにしています。
アルフペットクリニック
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