さいとう動物病院 富岡総合医療センター 山田 継生 先生 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.049

犬と猫の救急医療、呼吸困難を起こす肺水腫と誤食の治療
呼吸器系疾患
犬と猫の救急医療、呼吸困難を起こす肺水腫と誤食の治療
さいとう動物病院 富岡総合医療センター
山田 継生 先生
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群馬県富岡市の「さいとう動物病院 富岡総合医療センター」は、北関東では数少ない夜間救急を行う病院だ。「地方の救急医療を充実させたい」と話す山田継生獣医師は、ニュージーランドや埼玉県にある動物病院の救急救命科で活躍、2020年から同院の救急科を担当し、麻酔科、外科、かかりつけ医と協力して救命のために手を尽くす。さまざまな急患に対して緊急度を見極めて治療するのが救急科の役目だ。特に呼吸困難や意識障害がみられる場合は命にかかわる可能性があり、迅速な処置が必要となる。心臓病の悪化による肺水腫、人体薬やおもちゃの誤食による中毒症状や頻回嘔吐もこのケースに当てはまる。山田先生に肺水腫と誤食について話を伺った。(取材日 2021年4月29日)

呼吸困難、意識障害は命にかかわる。心臓病による肺水腫もすぐに病院へ

― 緊急性の高い症状を教えてください。

「呼吸困難」と「意識障害」の症状は非常に危険なので、すぐに病院に来てください。
夜間救急で多い症例は、肺水腫や、異物誤食、けいれん発作です。肺水腫から呼吸困難を起こすことが多いですが、異物誤食による嘔吐から誤嚥性肺炎を起こすこともあります。けいれん発作は脳の異常興奮状態で、持続すると脳にダメージが蓄積して亡くなってしまうので、迅速な対応が必要です。

― 肺水腫について教えてください。

肺水腫は、肺の中に水が溜まり呼吸が苦しくなっている状態です。肺が酸素を取り込めなくなると低酸素により心停止を起こすため、非常に危険な状態です。ただし、苦しそうであっても血液中に酸素があればすぐに心臓が止まることはありませんので、酸素吸入を行いながら状況に応じた処置をします。
肺水腫の原因は、心臓と、心臓以外からくるものに分けられます。日本では心臓病になりやすい小型犬が、心臓での血液の逆流から肺水腫になるケースが多く、この場合は心臓に対する治療を行います。心臓病以外の原因は様々で、マズルコントロール(過度なしつけ)、肺腫瘍、膵炎などの肺への炎症の波及が起こるケースもあり、原因治療も大切になります。まずは原因を特定するために、レントゲンやエコー検査、心雑音の聴取をして診断しますが、検査自体が患者の負担にもなるため、どの検査を行うか見極めて実施します。

― どのように救命するのでしょうか?

肺水腫は、肺のうっ血(体の中に水が溜まっている状態)のみか、心臓が弱って血液循環まで悪くなっているかで処置が大きく異なります。うっ血であれば肺の水分を尿として逃がすため利尿剤を使いますが、循環が悪いと利尿剤が腎臓に届かず、尿が作れないため、強心・昇圧治療も合わせて行います。ストレスを減らすため、必要以上に動物に触れないことも重要です。酸素室に入れて、治療による呼吸の状態の改善を見て治療内容を決めるので、経過観察のため入院が必要になることも多いです。酸素室で不十分な時は、人工呼吸管理を行うこともあります。退院後は、かかりつけの病院と協力して内服の継続治療を行います。

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犬と猫の救急医療、呼吸困難を起こす肺水腫と誤食の治療

さいとう動物病院 富岡総合医療センター

場所
群馬県富岡市冨岡3058−1 MAP
電話
0274-64-0854
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他 軟部外科

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