亀山動物病院 亀山 康彦 院長 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.040

犬の心雑音~僧帽弁閉鎖不全症と超音波検査~
循環器系疾患
犬の心雑音~僧帽弁閉鎖不全症と超音波検査~
亀山動物病院
亀山 康彦 院長
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僧帽弁閉鎖不全症は進行する。適切な検査と治療で進行を遅らせることが大事

― 治療方針はどのように決定しているのでしょうか?

飼い主さんに病気のことを理解してもらったうえで、治療方針の選択をしていただいています。検査結果や治療方法、余命や治療費など飼い主さんに説明することは多岐にわたります。このような正しい情報がないと飼い主さんは治療方針を決定することはできません。とは言え、こちらが難しい言葉を並べていくら説明した気になっても、飼い主さんが理解していなかったら説明していないことと同義です。ですから飼い主さんがしっかりと理解をして考えたうえで治療方針を選択してもらえるように、病気についてのオリジナルの動画や検査画像を見せるなど、分かりやすい説明を心がけています。

― 僧帽弁閉鎖不全症の治療について教えてください。

病気の進行をできる限り遅らせる治療を実施しています。治療を開始するステージB1やB2では、心雑音はあるけれど臨床症状が出ていないことがほとんどで、「散歩からすぐに帰りたがる」「食欲が落ちた」などの症状が出てくるとステージCまで進行しています。肺水腫や高血圧症など命にかかわる症状が生じるため、「肺水腫にさせない」「ステージCまで進行させない」治療が重要なのです。
治療は投薬を行い、B2ではピモベンダンという強心作用と血管拡張作用をもつ薬が主体です。ほかにも、ACEI、アルドステロン受容体拮抗薬、Caチャネルブロッカーなどを使用することもあります。薬の効果はどれくらいあるか、量は適しているか、ほかの薬も必要かを判断するために、治療開始後も検査が必須です。検査を適宜行うことで肺水腫になりづらくできるのです。
大学病院などでは手術も行っていますが、費用は高額になります。

― 肺水腫にさせないことが重要なのですね。

肺水腫は肺に水が溜まってしまい、呼吸困難を引き起こす緊急性の高い病気です。肺水腫になっても治療をして回復をさせることもできますが、再発を繰り返したり、さらに病気が悪化したり、より命にかかわる状態になってしまいます。僧帽弁閉鎖不全症から、肺水腫、三尖弁閉鎖不全症、肺高血圧症、肺血栓症と進行することもあるのです。心臓疾患による肺高血圧症になる子は近年多くなっています。病気の進行をできる限り遅らせ、適切な診断、治療をするために、超音波検査やレントゲン検査が重要です。

ドクターからのメッセージ亀山 康彦 院長

先天性、後天性心疾患は聴診で心雑音を発見することが大切です。小型犬では特に多い僧帽弁閉鎖不全症は進行する疾患です。診断して薬を処方されればそれで終了ではありません。早期に診断し投薬が必要な状態かを見極めなければなりません。進行して肺水腫になってしまうと寿命がかなり短くなってしまいます。また、循環器に精通した獣医師でないと検査、治療はできません。心臓超音波検査は難しい検査ですし、循環器疾患の治療にも技術や経験が求められます。ですから、心雑音が聴取された場合には、循環器疾患を高度に診られる獣医師に相談することが大切です。

犬の心雑音~僧帽弁閉鎖不全症と超音波検査~
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犬の心雑音~僧帽弁閉鎖不全症と超音波検査~

亀山動物病院

場所
神奈川県茅ヶ崎市香川2丁目20−13 MAP
電話
0467-52-9067
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット 鳥
診察領域
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