國谷 貴司院長 かば動物クリニック | ドクターズインタビュー

メニュー
1,430 views

頼れる獣医が教える治療法 vol.032

「てんかん」MRI検査と最新のアプローチ
脳・神経系疾患
「てんかん」MRI検査と最新のアプローチ
かば動物クリニック
國谷 貴司院長
1,417 views
浜松駅から車で15分、浜松市東区にある「かば動物クリニック」は、2017年に國谷貴司先生が先代の院長より病院を引継ぎ、院内はそのままに増床工事をおこないMRIとCTの設備を導入、リニューアルオープンした病院だ。広い待合室は天窓から光が差し込み、木のフレームには喫茶店のようなぬくもりを感じる。國谷先生は神経疾患の画像診断、治療に10年以上従事し、この間、数多くのてんかんの診療に携わってきた。猫や犬のてんかんは人と比較して発症率が高く、より身近な病気であるという。「ご家族の不安を解消し、ペットとのごくありふれた生活を送れるようサポートしたい」と話す國谷先生に、てんかんの診断と治療について伺った。(取材日 2019年8月21日)

100頭に5頭が発症するてんかん。発作の様子を詳しく聴き出すことが重要

―てんかんとはどのような病気でしょうか?

てんかんは発作を繰り返し起こす、脳の慢性的な病気です。皆さんが想像される「突然倒れてけいれんする」という状態は、てんかんの代表的な症状です。脳の中の神経細胞は電気を使って情報をやりとりしていますが、てんかん発作はこの神経細胞に突然電気的な乱れが生じることで起こります。人では世代を問わず100人に1人の割合で発症することが知られていますが、猫や犬ではより頻度が高く、100頭に5頭がてんかんを抱えているといわれています。てんかんは特別な病気ではなく、身近な病気なんです。

―てんかんを診断するのは難しいと伺いました。

てんかんは外見から病気であることが分かりにくく、発作を起こしていなければ健康な子と見分けることはできません。突然倒れて全身けいれんを起こす場合は気づきやすいのですが、からだの一部分だけがほんの数秒間ピクピク動くといった場合にはてんかんだとは気づかずに長年過ごしているケースも多いです。
診断には、まず本当にてんかん発作なのかを評価し、次にMRIを使用して可能な限り原因の特定を進めていきます。一番重要なことは発作時の様子を正確に把握することで、症状や持続時間、発作後の様子について根掘り葉掘り聴き出します。最近は発作の様子を撮り貯めているご家族も多く、一緒にスマホを眺めながら情報共有する機会が多くなりました。

―かば動物クリニックでのてんかん治療について教えてください。

治療の基本は抗てんかん薬の内服になります。最初は1種類の薬で治療をおこないますが、症状に応じて増量したり、2種類以上の薬を組み合わせたりすることもあります。
通常は半年に2回以上、発作が繰り返すことを確認して治療を開始します。「しばらく様子をみましょう」を繰り返した結果、投薬開始が遅れてしまうことは避けなければなりません。「てんかん重積状態」と呼ばれる発作が長時間続く場合や、短期間に連続して起こる「群発発作」の場合には、すぐに治療が必要です。
薬の種類によっては副作用があるので、治療効果と患者を含めたご家族のQOLとのバランスを見極めることが大切です。治療のゴールは発作をゼロにすることですが、現実的には頻度と持続時間を軽減させることが目標となります。特発性てんかんの70~80%で発作が軽減し、日常生活を送ることが可能です。

―薬を飲ませること以外になにかできることはありますか?

従来の抗てんかん薬に療法食やサプリメントを併用することで発作頻度の軽減を期待できることが海外の研究報告で明らかにされています。薬だけでコントロールが困難な特発性てんかんの犬に対して、中鎖脂肪酸(MCT)や抗酸化物質を多く含む療法食への切り替えや、CBD(カンナビジオール)などのサプリメントの使用を取り入れています。
近年、国内の大学病院では外科手術により発作頻度の軽減を試みる新しい取り組みも始まっており、当院から紹介する体制も整えています。

12
「てんかん」MRI検査と最新のアプローチ

かば動物クリニック

場所
静岡県浜松市東区上新屋町200−6 MAP
電話
053-461-3311
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 腫瘍・がん

新着インタビュー

MORE