山下 洋平先生 エビス動物病院 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.022

犬猫の眼科診療。失明から回復させる最新手術
眼科系疾患
犬猫の眼科診療。失明から回復させる最新手術
エビス動物病院
山下 洋平先生
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網膜剥離による失明から視力を取り戻す。硝子体手術という新しい治療法

―目が見えなくなる病気にはどのようなものがありますか?

代表的な病気として白内障や網膜剥離、緑内障があげられます。「目が見える」ためには、光が角膜と水晶体という2枚のレンズを通過し、ゼリー状の硝子体を通り、目の奥の網膜に届くことが必要となりますが、ほかにもさまざまな器官や神経が関係しています。この中のどこかに問題が起こると目が見えなくなるのです。
視力の低下や失明は飼い主さんが気づきにくいのですが、特に白内障や網膜剥離では痛みがないので、その傾向が強いですね。「高齢になったらあまり動かなくなった」と思っていたら、「実は眼の病気だった」というケースがあります。早めに治療を開始することで眼の機能を維持できますので、少しでも目の周りや行動に変化があれば相談にいらしてください。

―白内障について教えてください。

白内障は、水晶体のタンパク質が最初白く固まり、その後タンパク質が液化して漏れ出し、ぶどう膜炎から網膜剥離、緑内障など合併症を起こして失明に繋がる病気です。合併症を予防する方法としては目薬と手術がありますが、手術ができる子であれば手術をお勧めしています。網膜剥離や緑内障に進行する危険性が、手術した場合を1とすると、点眼治療が4、なにも治療をしない場合が250と言われているからです。
ご家庭で目薬をするときには、まぶたを上にあげて白目のところに点眼をすると嫌がられにくいのでお試しください。逆に神経が集まっている黒目のところに点眼をすると苦手になってしまう子が多いようです。

―硝子体手術について教えてください。

裂孔原性網膜剥離が原因で失明した場合は、硝子体手術により視力を取り戻すことができます。網膜が部分的に剥がれている場合にはレーザー治療で進行を防ぐことが行われていますが、全剥離をした場合にはこの手術を行わない限り元に戻すことができません。
硝子体手術では、黒目の横に注射針ほどの小さな穴をあけて硝子体の組織を除去し、剥がれ落ちた網膜をもとの位置に戻します。戻した網膜はシリコンオイルで押さえつける事で復位させます。術後は3日~1週間程度の入院が必要です。
硝子体手術は近年開発された新しい手術で、国内では当院を含めて5院のみで実施しています。今まで網膜剥離による失明には治療の手段がなかったのですが、この手術により「視力を取り戻せる」可能性を提案できるようになりました。アメリカでは7割の症例で視力が回復したとのデータもあります。まだ広く知られていない治療法ですが、多くの方に知っていただきたいですね。

ドクターからのメッセージ山下 洋平先生

全ての病気に対して「標準とされている治療」はありますが、それがすべての飼い主さんとペットにとってベストとは限りません。なにが幸せなのかはご家庭によって異なりますので、一緒に話し合っていきましょう。 飼い主さんと動物たちにとって一番良い状態を探して、そこを目標として治療を提案していく。それが私たちのやりたいことであり、皆さまに対して提供できることです。人と動物の幸せを本気で考え、お互いの幸せを探していくお手伝いをいたします。

犬猫の眼科診療。失明から回復させる最新手術
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犬猫の眼科診療。失明から回復させる最新手術

エビス動物病院

場所
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電話
022-341-6121
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
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