ペットのため学び続ける、皮膚とエイジングケアのスペシャリスト
長年信頼を寄せられている皮膚科系疾患の治療に加え、ペットのエイジングケアにも力を入れています。
- 北川犬猫病院 東京都板橋区南常盤台
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- 後藤 慎史 院長
頼れる獣医が教える治療法 vol.019
目次
私は大学を卒業してから約6年間、岐阜大学動物病院の腫瘍科で助教として勤務していました。
当時は一次病院(ホームドクター)から紹介された患者さんを診察することが多かったのですが、末期の状態になってから来院される方が非常に多かったのです。一次病院において、なるべく早い段階で「正しい診断、正しい治療」をすることができていれば、何とかしてあげることができたのに……。そのような思いから、当院では犬猫がんセンターを設立。地域のホームドクターでありながら、がん・腫瘍の専門的な診断治療ができる体制を整えています。
私は6年間、大学病院でがんを専門的に診療してきた経験を持ち、もう一人の勤務医である藤田先生も日本獣医がん学会の獣医腫瘍科認定医Ⅱ種を取得しています。
当院では血液検査や超音波検査、レントゲン検査、内視鏡検査、生検などにより診断を行っていますが、CTやMRIなど当院に設備が無い検査が必要な場合には、こちらで責任を持ってお預かりして、提携病院で検査を実施することも可能です。
現在も勉強会や学会に参加するのはもちろんのこと、新薬が開発されたら実際に使用している先生方にお話を伺ったりするなど、助教時代の繋がりも活用しながら最新の情報を吸収することに努めています。
予約制でセカンドオピニオン外来の時間を設けており、1か月で4~5件ほど来院されます。
「他院で『もう手遅れ』と言われた」などご相談いただくことが多いですが、まだまだ他の治療法が提案できるケースもあります。また、余命が数か月であったとしても、「何も打つ手がない」という訳ではありません。標準的な治療である抗がん剤治療や外科手術だけでなく、苦痛を和らげる治療により余生を苦しむことなく過ごせるようにする、という選択肢もあります。
免疫を司る白血球の中にある「リンパ球」と言う細胞が悪性腫瘍になってしまう病気です。リンパ腫と言うとリンパ節が腫れるイメージがあると思いますが、血液の中に含まれる細胞なので、全身どこにでも病変ができ、症状の出る可能性があります。
例えば、犬では腸管に出るリンパ腫により血便や下痢などの症状がありますし、猫では鼻腔内リンパ腫により顔が腫れたり鼻血が出たりと言った症状があります。
また、リンパ球の種類(T細胞、B細胞など)や、進行スピード(高悪性、低悪性)により治療方針が異なるので、しっかりと診断を付けることが、その後の治療をする上で大切です。
リンパ腫は「血液のがん」なので、抗がん剤治療がメインになります。ただし、診断の結果次第では、外科手術や放射線治療などの局所治療も行う場合があります。
抗がん剤には多くの種類があり、注射や点滴、錠剤など使用方法も様々です。診断結果に応じて数種類の抗がん剤を組み合わせ、決まったプロトコル(使用法)に沿って投与し、治療を進めていきます。副作用が強く出過ぎた場合には、抗がん剤を減量するなどの判断を行います。
決められたプロトコルが終了して寛解した後は、月に1回ぐらいのペースで定期検査に来ていただきます。
抗がん剤は増殖が盛んな細胞を攻撃するタイプのものが多く、悪性腫瘍の他にも体内で盛んに増殖する細胞が攻撃されることで副作用が出ます。一番ダメージを受けやすいのは免疫を司る白血球の細胞です。ですから、抗生物質を使ったり、白血球を増やす薬をつかったりして、感染症にかからないようにします。他に嘔吐や下痢の症状が出る場合も多いですが、適切な処置を行い対応していきます。
正しいデータを提示し、正しい治療を提案することを心がけています。
データについては、平均生存期間や、治療により寛解(腫瘍が認められなくなること)が維持できる期間など、ネガティブな情報もポジティブな情報も全てお話をしています。治療については、設備等の理由により当院ではできないものであっても、可能性があるものは全て提案をするのが当院の方針です。
治療が難しい病気でも治る可能性が少しでもあればお伝えしていますし、どうしても完治が難しい場合でも、飼い主さんと相談の上、どこまで治療をするのかを決めるようにしています。
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長年信頼を寄せられている皮膚科系疾患の治療に加え、ペットのエイジングケアにも力を入れています。
飼い主様だけでなく、地域の獣医師からも紹介先として頼りにされる、外科治療専門の動物病院です。
発症後の致死率は9割を超える猫伝染性腹膜炎(FIP)。豊富な治療実績を基に、難病から愛猫を救います。