米澤 覚院長 アトム動物病院 動物呼吸器センター | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.013

犬の気管虚脱、症状と外科手術
呼吸器系疾患
犬の気管虚脱、症状と外科手術
アトム動物病院動物呼吸器センター
米澤 覚院長
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飼っている犬が咳をするようになった、「ゼーゼー」と呼吸するようになった……それは、「気管虚脱」のサインかもしれない。気管虚脱とは、気管が途中で潰れてしまい呼吸ができなくなる病気である。気管虚脱は獣医療において「難治性疾患」とされていたが、近年は外科手術の進歩により完治も可能となっている。アトム動物病院の米澤覚院長は、呼吸器外科の第一人者として、600頭を超える気管虚脱の患者を外科手術で救ってきた。日々、新しい治療を考案している米澤覚先生に、呼吸器疾患と気管虚脱の症状、治療方法について伺った。(取材日 2017年6月16日)

咳や”いびき”に病気が隠されていることも。犬の呼吸器疾患は珍しくない

―犬や猫の呼吸器疾患では、どのような症状で来院される方が多いのですか?

咳や呼吸困難の症状で来院される方が多いですね。
他にも、「ハーハー」と苦しそうな息遣いをしていたり、「ガーガー」とガチョウのような呼吸音が聞こえるようになってから、病院に連れて来られる方もいます。
症状が進行しているケースでは、呼吸が苦しくて自ら酸素チューブに顔を近づけるような子もいます。
呼吸器疾患では、症状が出ているにも関わらず、飼い主さんがそれを異常だと思わず、病気が進行してしまうこともありますので、日頃から注意が必要ですね。
咳の初期症状では、「ゴホッ」と1回だけ咳込むのを「痰を吐こうとしている」と勘違いをされる場合があります。また、短頭種の子では「ガーガー」と”いびき”をするのが普通だと思われて、飼い主さんが病気だと気づかないこともあります。

―咳が出ている時や呼吸がおかしい時は、どのような病気が考えられるのでしょうか?

同じ症状でも、「気管に異常がある」「喉に異常がある」「感染症に罹っている」など、様々な病気が考えられます。
特に多い病気は、「気管虚脱(きかんきょだつ)」でしょうか。近年ではフレンチ・ブルやパグなどにみられる「短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)」が増えている傾向があります。「軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)」や、息を吸う際に喉頭が気管側に入り込んでしまう「喉頭虚脱(いんとうきょだつ)」などが、複雑に絡み合う病気です。
高齢の大型犬に多い「喉頭麻痺」「慢性気管支炎」や、仔犬に多い「ケンネルコフ」などの感染症も考えられますね。
診察の際には、問診、触診、視診、聴診、そしてX線検査を行います。確定診断のためには、気管支内視鏡検査や、他施設へ依頼してCT検査を行う場合もあります。
当院では、気管支内視鏡検査に2.3ミリの電子スコープを使用しているので、小型犬の気管支まで鮮明な画像で観察することが可能です。
犬では呼吸器症状は珍しくありませんが、猫では稀です。

―犬と猫では症状の出やすさに差があるのですね。

猫では「猫喘息」やウイルス性の感染症で呼吸器症状が見られますが、猫よりも犬の方が呼吸器疾患を起こしやすいですね。
犬種の特異性として、短頭種に短頭種気道症候群が多く、ヨークシャー・テリア、ポメラニアン、チワワなどでは「気管虚脱」が多くみられます。
「短頭種」というと、パグやフレンチブルドッグを想像されると思いますが、シーズーやチワワも短頭種です。短頭種は、「低い鼻」や「短く太い首」など解剖学的構造が原因で、咳や呼吸困難など呼吸器症状が多く見られます。
短頭種に限らず全犬種で見られる病気で、猫でも起こるものとしては、「気管虚脱」があります。

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犬の気管虚脱、症状と外科手術

アトム動物病院動物呼吸器センター

場所
東京都板橋区徳丸1丁目5 −15 MAP
電話
03-3935-6355
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター
診察領域
呼吸器系疾患

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