佐藤 元気院長 ヴィータ動物病院 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.010

犬・猫の歯周病について
歯と口腔系疾患
犬・猫の歯周病について
ヴィータ動物病院
佐藤 元気院長
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思いもよらぬ症状が歯周病のことも。デンタルチェックは欠かさずに!

―自宅でのデンタルケアのやり方はどうすればいいのですか?

ケアで一番効果的なのは歯ブラシです。歯の表面や歯周ポケットの汚れを直接除去することができます。また歯周病の原因となる細菌は空気の少ないところを好みますので歯周ポケットに空気を入れることで歯周病の原因菌の繁殖を防ぐことができます。
歯ブラシ以外にもガーゼやデンタルジェル、デンタルリンス、ガムやサプリメントもデンタルケアになります。それぞれの道具で目的が異なりますので組み合わせることが大事です。
例えば、歯ブラシやガーゼなどを使用して指でケアを行うと、前歯は磨きやすいのですが、奥歯をしっかりと磨くことが意外と難しいことに気付かれると思います。また、ガムをかじっている様子をよく見てみると、多くの場合は手でガムを抑えたりしながら奥歯で一生懸命にかじっている姿が見られると思います。わんちゃんや猫ちゃんには歯を磨こうという意識はありませんので、前歯ではなく、力の入りやすい奥歯を使うのです。ですので、ガムだけでは前歯のケアは不十分といえます。
歯を直接的に磨く方法以外にも、口内環境を整えることでデンタルケアを行う方法もあります。デンタルジェルや飲み水に混ぜるデンタルリンスは手軽にできるケアの1つです。ジェルやリンスには殺菌作用があり、菌の繁殖を抑えることができます。また、近年では飲むだけでお口の中の善玉菌を増やし口内環境を整える錠剤タイプのサプリメントも売られています。
様々な商品がありますので、いくつかの道具や方法を組み合わせることでよりよいデンタルケアが可能となります。
また、デンタルケアに関して注意があります。実は日常のケアで良かれと思ってやっていることで、歯にダメージを与えている場合がよくあります。硬いおもちゃや骨、アキレス腱などのおやつをあげることもあると思いますが、顎の力が強い子や一生懸命噛みすぎてしまう子ですと、歯垢がとれるだけでなく歯が削れたり折れてしまったりすることもあるのです。意外に知られていないので、歯が折れてしまっている子を見かけることは少なくないです。

―口を触らせてくれない時にはどのようにしたらいいでしょうか?

まず認識として、はじめから歯ブラシをさせてくれる子はほとんどいません。よく飼い主様から、「口の中をケアしようと1週間頑張ったけれどうちの子は口を触らせてくれない、デンタルケアができない子なんだ」とのお声を聞きます。実際に数週間でデンタルケアがしっかりできるようになる子は少ないんです。
歯ブラシができるようになるには数か月はかかると思ってください。まずは口を触る練習から始めて、徐々に慣れてきたらジェルを舐めさせてみる。次に指をつかって口の中にジェルを塗ってみる。今度はジェルをつけた指で歯を撫でてみる。そして、少しずつ歯ブラシを使ってみる。というように、できることを増やすことが大切です。
文章で書くと簡単ですが、一つ一つの手順に1~2週間以上かけてゆっくりゆっくりやっていくのが失敗しにくいコツだと思います。
デンタルケアを始めるときに、気合を入れて毎日歯ブラシをしようとすると、ペットたちもご家族も疲れますしお互いに嫌になって続かなくなってしまうことが多いです。はじめから毎日ケアを行う必要はありません。週に1、2回でも口を触る練習からはじめて徐々に慣れさせていくことが重要です。
歯みがきができないことで、ご家族の方はがっかりしないでください。普通はできません。その子のペースで数か月単位の長期スパンで練習を重ねることが大切です。
それに、どうしてもデンタルケアに時間を割けない場合もあるでしょう。心配しないでください。今は色々な道具があるので、歯ブラシができないといって、時間が割けないと何もできないわけではありません。その子にあったケア、お家にあったケアを相談して始めてみましょう。

―これまでに、印象に残るエピソードはありますか?

お口の治療が終わると、ご家族みんなに喜ばれることが嬉しいですね。お口が汚れていた時には、「口が臭いからあっちにいって」とか「舐めないで」と言われていたわんちゃんが、臭いもなくなって飼い主さんも嬉しいし、笑顔の家族を見たわんちゃんも嬉しい。動物病院をやっていてよかったなぁと思います。
高齢になったからボール遊びをしなくなったのかと思っていたら、歯周病の治療をしたら元気に遊ぶようになったという子や、治療をしたらご飯をバクバク食べるようになったなんて話もよくあります。
食事は生活の基本であり、体の基本です。人間もそうですが、わんちゃん、猫ちゃんも歯が痛くて元気がないとか、食欲が出ないということは意外に多いのだと思います。
他にも歯周病が原因でくしゃみや鼻血がでてしまう子も多いのですが、軽い症状であれば問題なくても、酷くなるとご家庭は大変です。床も家具も汚れてしまう。そのような場合も治療後に症状が治まって、大変喜ばれるので嬉しいです。
お口の悩みに限った話ではないですが、困りごとや心配が解決して喜んでいただく姿、ご家族の笑顔と喜ぶ動物の姿を見るのは最高に嬉しいことです。

ドクターからのメッセージ佐藤 元気院長

気軽に相談できる動物病院を皆さんにもって頂きたいです。動物病院にくると緊張される方も多いと思いますが、動物病院は動物が好きな人が集まっている場所ですから、本来そんなに怖いところではないのです。病気になってはじめて病院へ行くのではなく、散歩ついでに気軽になんでも聞ける病院の方が、いざという時にも安心できるはずです。
お口のことや体重管理などは、ケアをしていないことを注意されそうで聞きにくいかもしれませんが、ケアの仕方をお伝えすることが動物病院の仕事です。体重を計りにくるだけでもよいですし、動物を連れてくるのが大変だという時はご家族の方だけで相談にいらっしゃっても構いません。病気についてだけでなく、しつけでも遊びについてでも気兼ねなく、動物についてなんでも聞ける場所として動物病院を使ってほしいと思います。

犬・猫の歯周病について
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犬・猫の歯周病について

ヴィータ動物病院

場所
神奈川県川崎市中原区宮内2丁目11−7−101 MAP
電話
044-281-7110
診察動物
イヌ ネコ ウサギ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他

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