伏見 寿彦院長 伏見動物病院 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.032
伏見動物病院
  • 伏見 寿彦院長
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栃木県南東部、益子焼で知られる芳賀郡益子町の伏見動物病院は、前十字靭帯断裂の最新治療(TPLO、TTA、CBLO)を提供している。1946年の開院以来、地域の獣医療を支え続け、2016年にはリニューアル。3代目となる伏見寿彦院長が、総合病院となるべく高度医療の提供も開始した。伏見動物病院は年間700症例以上の手術実績があり、寿彦先生はその中でも整形外科が専門。痛みを減らすために、人間の医療現場で使うものと同じ腹腔鏡や関節鏡、硬膜外麻酔などを用いて手術を行う。「走れるようになってこの子の一生が変わった、と言われた時が何より嬉しい」と語る寿彦先生に、病院の特徴や痛みの少ない治療について伺った。(取材日 2018年12月12日)

栃木で都心と同レベルの高度医療を提供、整形外科と眼科で専門診療を開始

―伏見動物病院の特徴を教えてください。

一般診療に加え、整形外科と眼科で高度な専門診療ができることです。専門診療というと冷たいイメージがあるかもしれませんが、飼い主さんの状況とペットの環境を考慮して、相談しながら診療します。「飼い主さんに寄り添った診療を行う」という方針は変わらず、都市部と同様の高度医療を栃木でも提供したいという思いで、修行を積んで帰ってきました。
また、痛みの少ない治療を行うことを重視しています。鎮痛剤を併用した手術前後の痛みのケアや、人間の病院と同様の硬膜外麻酔などを用いて局所的に痛みをブロックしてから手術を行っています。

―2016年にリニューアルしたのですね。

2016年に建物と設備を新しくして、より良い医療を提供できる病院へリニューアルしました。当院は1946年に祖父が伏見家畜医院を開設し、母が犬猫中心の病院として地域に密着して多くの患者さんを診てきました。私は3代目として、さらに質の高い医療と納得してもらえる治療を提供できるように設備を揃えました。たとえば、新しく導入した腹腔鏡では、お腹を開けずに避妊手術や腹腔内潜在精巣、膀胱結石の摘出、肝臓や胃の一部を採取する生検が可能です。
院内は待合室や入院室を犬と猫で完全に分け、大型犬用のホテルも設置しています。地域貢献として待合室に展示している益子焼は、実はシーズンごとに作品を変えています。

―診療の際に心掛けていることはありますか?

「飼い主さんや動物にとっての“普通”はなんだろう」と常に考えています。私の “普通”が、飼い主さんにとっての“普通”とは限りません。動物の年齢や活動性によっても治療は変わりますし、どこまで治療を行うかはご家庭によって異なります。複数の選択肢を出し、「私が飼い主だったらこれを選ぶ」と勧めることもありますが、基本的に飼い主さんと一緒に治療を選んでいます。

世界基準の最新治療、膝蓋骨脱臼や前十靭帯断裂には外科手術が有効

―寿彦先生が獣医師として影響を受けた方はいますか?

一人には絞れないですが、北里大学の小動物第一外科学研究室の左近允巌教授と、みどり動物病院の森島隆司先生に師事しています。お二人には外科医としての技術と、「手術は動物に痛みを与えることだから、少しでも負担が減るように治療する」「外科医はすべての病気に精通すべきである」といった心構えを教えていただきました。
私の好きな曲「出会いは成長の種(ケツメイシ)」の歌詞のように、「恩師や友人、いろいろな人に出会って自分は成長している」と実感できる、有難い人生を歩んでいます。

―整形外科が専門なのですね。

自分自身の経験から整形外科を専門的に学んでいます。学生時代にラグビーでケガをして手術を受けた際に、痛くて辛い思いをしました。動物も「痛い」と言えないだけで、痛みを感じているはずです。しかし、正しい鎮痛剤の使い方や最新の手術法によって、痛みは大幅に軽減できます。そのような治療を学ぶために、大学病院や海外専門医による研修を受け勉強を続けています。
当院では1kg~50kgを超える子、幼齢から高齢まで、さまざまな手術に対応しています。骨折や膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂が特に多く、年間100症例以上の整形外科手術を行っています。

―前十字靭帯断裂の治療について教えてください。

膝にある前十字靭帯が切れると歩行に支障が生じ、進行すると痛みを伴うようになります。エビデンスレベルでも世界的に評価されているTPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)は、脛骨の一部を切りプレートで固定する最新の手術方法です。術後半年で、どちらの足を手術したのか分からなくなるほどの回復が期待できます。「こんなに走れると思わなかった」「表情が生き生きした」とご報告を受ける時は獣医冥利に尽きますね。TPLOは特に大型犬に適した手術で、費用は30万円前後です。また、症例に応じてTTA(脛骨粗面前進化術)やCBLO(回転中心に基づく脛骨高平部水平化骨切り術)などの手術も行っています。前十字靭帯断裂に対しての治療法はいくつかありますので、飼い主さんと相談をして決めます。

―最後にメッセージをお願いします。

私たちは病気に悩める子に寄り添いながら、高度医療を提供することをモットーとしています。病気で困ったときに都内に行かなくても、栃木県内ですべての治療ができることを目指しています。最新の手術、世界的にスタンダードな治療、正しい治療を提供できる動物病院へと成長していきたいですね。総合臨床外科認定医である私がいつでも相談をお受けします。

「栃木に高度医療を提供する」70年の歴史を継ぐ3代目の決意

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住所
栃木県芳賀郡益子町塙1155
電話番号
0285-72-3585
駐車場
あり
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 けが・その他