瀧口 晴嵩院長 はる動物病院 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.031
はる動物病院
  • 瀧口 晴嵩院長
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八千代緑が丘駅から徒歩10分。新興住宅が立ち並ぶエリアに「はる動物病院」がある。建物正面の中央に設けられた入り口の先には、左右に分かれた待合室が用意されている。右が犬用、左が猫とうさぎ用だ。それぞれの待合室の正面に診察室、入院スペースがあり、院内で犬と猫が遭遇しない作りとなっている。この間取りを設計したのは瀧口晴嵩院長。犬を怖がる猫のストレスを軽減するアイデアだ。犬専用のスペースはかなり広めに設けているので大型犬も遠慮せず入ることができ、飼い主さんからも好評だという。また、同院はうさぎの診療や、腫瘍(がん)の治療が得意なクリニックとしても知られている。瀧口院長に、診療にかける思いを語っていただいた。(取材日 2018年12月10日)

待合室を分けて犬も猫もストレスフリー。治療の究極目的は飼い主と動物の幸せ

―犬と猫の待合室が分かれているのは珍しいですね。

一般的には待合室を分けるべきと推奨されていますが、狭い日本ではほぼ実現されていません。当院では待合室だけでなく、診察室と入院スペースも分かれています。犬を怖がる猫のストレスを軽減するためです。また逆に、犬専用の待合室があることで、大型犬の飼い主さんにもとても喜ばれています。多くの動物病院では、他の飼い主さんに迷惑をかけたくない一心で、中に入らず外で待たれたりするものです。当院にはボルゾイ、シェパード、バーニーズなどの大型犬もいらっしゃいますので、犬専用のスペースは全てかなり広めにしております。犬も猫も飼い主さんも通いやすい空間が実現できていると思います。

―猫の待合室には、猫がリラックスできる工夫があるそうですね。

フェリウェイというスプレーとリキッドを使用しています。フェリウェイは、猫同士が「ここは安全な場所だ」ということを伝えるために出すフェロモンを抽出したものです。この効果なのか、一般的な動物病院に比べると、待合室や診察室で猫が暴れたり逃げ出したりすることが非常に少ないですね。単純に、静かで、犬の匂いのしない診察環境が功を奏しているようにも感じます。

―診療の際に心がけていることを教えてください。

病気そのものを治すだけでなく、飼い主さんと動物の幸せを実現することを重視しています。正しいことと幸せにすることは違う場合もあるので、頭でっかちにならないように気をつけて、一方的に押し付けない対応を心がけています。そのためには飼い主さんの事情や背景を考慮しなくてはいけない場合もあります。私は動物好きですが、人好きでもあります。自分の大切なわんちゃんだったら、猫ちゃんだったら、と考える癖をつけるようにしています。また、開業後も勉強会や外部の難しい手術に積極的に参加しており、新しい知識の吸収や技術向上は一生続けるべきものと考えております。

うさぎの診療が得意で手術も可能。飼い主の喜ぶ顔に使命を感じる

―うさぎの診療を得意とされていると伺いました。

うさぎの治療を本当の意味できちんとできる病院はかなり限られ、これは大きな問題です。勤務医時代は休日返上でうさぎの専門病院に通い詰め、修行を積みました。うさぎの処置や手術は難しいですが、きちんとした知識と技術のもとで治療を行えば、多くのうさぎが救えます。現在では山梨、神奈川など県外からも患者さんがいらっしゃいます。多くの患者さんに喜んでいただき、使命を感じながら診療しています。

―はる動物病院は、この地域の中でどのようなポジションなのでしょうか。

どんな分野もベーシックな治療だけは間違いなく行える病院。そしてうさぎを専門的に診察できる病院を目指しています。間違いなく治せるものは治療させていただくけれど、できないものは無理に抱え込まず、信頼のおける専門病院に紹介します。私は以前、東京大学で働いており、紹介を受けた難しい症例を診察して一通りの経験を積ませていただきました。消化器科に特に注力し、内視鏡の扱いも得意です。内分泌、皮膚科など多くの一流の先生方のもとで学ばせていただいた経験が、今とても役立っています。

―先生は腫瘍科認定医を取得されていますね。

腫瘍科認定医になったのは、ペットの死因の多くが腫瘍(がん)だからです。調子の悪い子を調べると腫瘍が見つかるケースは非常に多く、専門性を備えておくことが必要だと感じました。私が認定医であることを知り、セカンドオピニオンを求めていらっしゃる飼い主さんも少なくありません。セカンドオピニオンにいらっしゃる方は、ここに辿り着くまでに精神的に疲労し、金銭的にも大きな負担を抱えている場合が多いです。ですから、一方的にならないよう、お気持ちに寄り添える対応を心がけています。

―最後に読者へのメッセージをお願いします。

一方的にならず、一緒に選択肢を選んで行くような診察を心がけています。セカンドオピニオンで来院されたとしても、自動的に難しい治療を押し付けるわけではありません。「話だけでも聞いてみよう」という軽い気持ちで結構です。また、うさぎの調子が悪い時には、なんとなく皮下点滴をしたり、抗生剤を処方するような治療ではダメです。不正咬合、子宮がん、根尖膿瘍など、何か基礎疾患があるはずです。うさぎの手術や奥歯の診察もできますので、何なりと申しつけください。

犬にも猫にも快適な空間を実現、うさぎの診療や腫瘍科に注力

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住所
千葉県八千代市緑が丘西1−15−2
電話番号
047-406-5008
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット モルモット 鳥
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 けが・その他