仁木 礼子院長 にきどうぶつ病院 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.019
にきどうぶつ病院
  • 仁木 礼子院長
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地下鉄南北線旭ヶ丘駅から車で10分、駅からメインの通りを進むと「にきどうぶつ病院」が見えてくる。待合室と診察室では大きなガラス窓から自然光が差し込み、病院らしさを感じさせない作りとなっている。仁木礼子院長は北海道、宮城、埼玉、東京の動物病院で経験を積み、小学校〜高校時代を過ごした仙台市で2016年に当院を開業。パピー教室や健康診断に加えて、皮膚科や腫瘍科にも力を入れている。「雑談も大事な情報、診察です」と笑って話す仁木院長に、開院に対しての思いや日常の診療についてお話を伺った。(取材日 2018年2月19日)

学生時代を過ごし、実家もある宮城で開業。地域の方々に貢献できるよう頑張ります

―なぜこちらで開院されたのでしょうか。

元々開業のために勉強してきましたが、地元で開院しようという思いが更に強くなったきっかけとなったのは東日本大震災です。北海道の大学を卒業した後は、北海道、宮城、埼玉、東京の動物病院や旭川の動物病院の夜間救急部門で働いていました。その当時は自分の突き詰めたい勉強を好き勝手にしていましたが、震災を機に地元や亘理に住む家族への思いが強くなり、宮城に戻ることを決めました。先立つものがなく準備に時間がかかり、結局は震災から5年も経ってしまいましたが、戻ることができてよかったです。地元をしばらく離れたことで、宮城の良さがわかるようになりましたね。当院に来ていただいた動物さんや飼い主さんのお役に立てるよう、お時間がかかることもありますが1頭1頭きちんと診察させていただき、飼い主さんとしっかりと話し合って治療方針を決めさせていただいております。

―どのような病院を目指していますか?

地域に根ざした1.5次診療ができる病院を目指しています。東北には首都圏と違い高度な設備や技術をもつ二次診療病院が少なく、2018年に苦竹に総合動物病院ができたのは嬉しいことですが、いろいろな事情で皆さんがそのような二次施設を受診できるとは限りません。そのため、できるだけ一次診療であるホームドクターが提供できる治療を増やしていくことも大切です。当院では特に腫瘍科(軟部外科)や皮膚科などの分野で動物さんと飼い主さんのお役に立てるようにしたいと考えております。
できるだけのことは対応できるよう努力しますが、MRIやCT検査などの特殊検査、当院では対応が難しい疾患につきましては、当院から車で20分ほどの総合病院や、その他の適切な施設(大学病院など)をご紹介することもあります。

―にきどうぶつ病院ではどのような相談が多いですか?

しつけ相談や健康診断から、他院での治療方法に関するセカンドオピニオンまで、さまざまな相談を受けています。最近では在宅医療に関する相談も増えていますね。「病院で最大限の治療をする」か「自宅で飼い主さんができる限りのことを行う」か。どちらがベストかはそのご家庭で異なりますので、在宅医療を選択される方へのサポートもできるよう心がけています。
また、フィラリア予防やワクチン接種など1年に1回の診察であっても、早めに異常に気づけるよう丁寧に診察を行っています。健康診断では、血液検査だけでは病気が進行しないと数値に変化が現れないことも多いため、特にシニア期に入った7歳以上の動物さんにはエコーやレントゲンなどの画像診断が含まれるドックもお勧めしています。

皮膚科・腫瘍科に力を入れた診療をしています。雑談も大事な診察

―にきどうぶつ病院の特徴を教えてください。

飼い主さんが話しやすい雰囲気を作るために、雑談を多く入れるようにしています。雑談が病気に関する重要なヒントとなることもありますし、飼い主さんが思い詰めた表情のまま診察をしていると、動物さんも雰囲気を察して不安になってしまうという理由もあります。診察は長くなることもありますが、病気の原因を見逃さないためにも、治療の目的を明確にする上でも大切な時間だと考えています。
他には板谷先生をお招きしてのパピークラスを定期的に開催しています。子犬のしつけは、わんちゃん自身のためにとても大事なことです。人が苦手で噛んでしまったり偏食があると、病気をしたときに点滴できなかったり薬を飲ませられなかったりとできる治療が限られてしまいます。小さい時からの接し方を少し意識してもらうだけで、それらの問題は改善できるのです。
また、個人ボランティア「にゃんこ組」さんのご協力のもと、飼い主さんのいない動物達に病院として微力ながら何かできることがないかということで、月に1度ペースで譲渡会を開催しております。譲渡会にいる子は一般的な譲渡会よりも年をとった成猫も多いですが、味のある猫ちゃんが多いです。ご興味のある方は是非譲渡会に足を運んでみてください。

―診療ではどのようなことに力を入れているのでしょうか。

皮膚科では、2018年1月からVDT所属の江角獣医師を月に一度お招きして皮膚科専門外来を行っています。皮膚病は「治す」というよりは「うまく付き合っていく」病気ですので、飼い主さんに納得していただきながら一緒に動物さんの皮膚の痒みなどをコントロールしていくことが重要です。皮膚科外来を日程の都合で受けられなくても、写真を撮って皮膚科専門医に経過を報告することも可能ですので、お気軽にご来院ください。
皮膚科診療では内服薬による治療だけでなくシャンプーのやり方もお伝えしています。一概には言えませんが、外用薬やシャンプーをその子にあったやり方で用いるだけで、皮膚の状態が改善し、飲み薬の量が減らせる事も多いのです。
また、当院では皮膚トラブルのある子や高齢の子でも受けられるメディカルトリミングも実施しています。他施設で高齢や持病があるいう理由でトリミングを断られてしまい、シャンプーができないために皮膚の状態も良くないという子もいます。そういった子について、飼い主さんとスタッフで一緒に考えていけるメディカルトリミングができればと思っています。
腫瘍は「早期発見早期治療」が大切です。ドックで腫瘍を早期発見し治療をすることで大事に至らなかったケースもあります。残念ながら来院時はすでに病気が進行し根治を目的とした治療ができないこともありますが、そういった場合はできるだけ動物さんの苦痛を取り除いてあげられるよう、緩和ケアを無理のない範囲で飼い主さんと一緒に考えていければと考えております。
当院では腫瘍にかかわらず軟部組織の外科の手術には力を入れており、手術時間の短縮や出血のリスクを減らすため超音波メス(ソノサージ)を導入しております。術後の痛みの管理や癌性疼痛がある患者さんに貼るタイプの痛み止めを用いた疼痛管理も可能です。
また、私だけでなくスタッフ一人ひとりの個性や技術を伸ばし、病院全体で飼い主さんや患者さんに少しでも多くのことを還元したいと思っています。飼い主さんには「獣医師や看護師に話を聞いてもらいに来た」と気軽に来院いただけると嬉しいですね。

―最後にメッセージをお願いします。

当院では、異常を見逃さないように1件1件時間をかけて診察をしています。病院では緊張されてしまう飼い主さんもいるかと思いますが、リラックスをしてお話をしていただければと思います。動物さんは言葉を話せないので飼い主さんとの会話が重要なことも多いからです。動物医療は動物の命が関わってきますので、完全に人側に立てない場合もあり、全ての飼い主さんに満足頂くというのは難しいこともありますが、できるだけ飼い主さんに治療の選択肢を提示し、何が最良なのかを一緒に考えられるよう心がけています。日頃の習慣やちょっとした動作の変化の中に病気が隠れていることもありますので、気になることがありましたら当院スタッフへご相談ください。

仙台のホームドクター、女性獣医師だからできる親しみやすい診察

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住所
宮城県仙台市泉区南光台南3丁目4−3
電話番号
022-352-9112
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット モルモット 鳥 爬虫類
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 けが・その他