鹿山 航院長 鹿山 真里獣医師 かやま動物病院 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.018
かやま動物病院
  • 鹿山 航院長
  • 鹿山 真里獣医師
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JR矢部駅から徒歩20分、多くの市民が訪れる相模原市の中心部にある「かやま動物病院」は、親しみやすいカフェのような待合室と、飼い主の目の前ですべての治療が行える診察室が特徴だ。「自分や自分の子供が病気だったらどんな治療を受けているか分からないと嫌だから」と笑って話す鹿山航院長と鹿山真里先生が、ホームドクターとしてなんでも相談できる動物病院を目指して2017年に開院した。ご夫婦ともに獣医師だが、診察は主に院長、診察補助や受付を真里先生が担当し、二人三脚で診療にあたる。「説明をして理解をしてもらうことが獣医の仕事」と話す鹿山先生ご夫婦に、診療に対しての思いや今後の展望についてお話を伺った。(取材日 2018年3月16日)

夫婦二人三脚での診療。気軽に立ち寄って話ができる病院を目指す

―ご夫婦で開業されたのですね。

航院長:2017年4月に開院しました。二人とも麻布大学(相模原市中央区)の出身で先輩後輩の関係です。勤務医として東京と兵庫の病院で働いたのち、「開業するなら大好きな相模原しかない」とこの地に戻ってきました。僕が主に診察を行い、妻は病院の顔として受付にいることが多いですね。診察の前に受付で症状を聞いてくれたり、飼い主さんの相談に乗ってくれたりと、二人三脚で診療をしています。
真里先生:当院はもちろん診察がメインですが、診察室以外でもご家庭であった出来事をいろいろお聞きできるような、親しみやすい動物病院にしていきたいと思っています。待合室ではリラックスしていただくため、なるべく病院らしくならないようにカフェをイメージして設計しました。

―かやま動物病院ではどのような患者さんが多いのでしょうか?

航院長:「元気がない」「食欲がない」など、最初は原因がはっきりしない不調でいらっしゃる方が多いですね。うちの子は毎日元気だったのに最近は何かがおかしい――そんな飼い主さんの不安や悩みに対して理由を追求し、解消するのが僕たちの仕事です。そのために問診をしっかりと行い、不要な検査を省きながら治療をします。
真里先生:最近はセカンドオピニオンでいらっしゃる方も増えています。転院の際は今までに通っていた病院の検査結果や服用していたお薬等をお持ちいただくとスムーズに診察を行うことができます。

―今後の展望を教えてください。

航院長:病院で患者さんと向き合った時点で、その子の病気は100%僕の責任で診療をします。当院は一次診療ですが、その中でも自分ができる最大限の治療を行いたいと思っています。飼い主さんの話を聞き、説明をして、理解をしてもらい、最大限の治療を行う。そんな普通のことを普通にやり続けたいですね。そして、その「普通」のレベルをあげるために常に努力して、新しいことも勉強していきたいです。
真里先生:お散歩ついでに来てもらえる病院を目指しています。皮膚炎で処方された薬を自宅で塗るのが難しければ毎日塗りに来ていただく事もできます。爪切りだけで来院されるような場合には、ワンちゃんにおやつをあげたりもしています。最近は歯ブラシだけで来院される飼い主さんも増えています。気軽に来てなんでも相談していただける関係を築いていきたいですね。

飼い主の目の前で治療を実施。病気を理解してもらうことが治療の第一歩

―診療の際に大事にされていることはありますか?

航院長:「飼い主さんに理解をしてもらうこと」「飼い主さんの目の前で治療を行うこと」の2つを大切にしています。一つ目の「理解」を大切にする理由は、たとえば自分や自分の子供が病気になったときに、「どんな病気なのか」「なぜこの薬を飲むのか」を単純に知りたいし、知らないことは気持ち悪いと感じるからです。また極端な話ですが、進行がゆるやかな病気で症状が急変して亡くなってしまった場合、理解が不足していると飼い主さんの心理的負担が大きくなってしまいます。心の準備をするためにも、慢性疾患の治療を続けてもらうためにも、病気を理解してもらうことが大切なのです。
真里先生:二つ目の「飼い主さんの目の前で治療を行う」のも同じ理由です。飼い主さんの目が届くところで処置をすることにより、少しでも飼い主さんの不安を解消したい。処置や顕微鏡・エコー画像を直接見てもらうことで、より理解を深めていただきたい。そのように考えて、診察室をこのような作りにしています。

―印象に残っているエピソードを教えてください。

航院長:転院でいらっしゃった頭部腫瘍の猫ちゃんが印象に残っています。他院では、麻酔をかけて頭部CTを撮らないと確定診断できない、仮に腫瘍が判明したとしても手術は難しい、とだけ言われていました。当院の診察でも、症状から頭部の腫瘍が考えられました。そこで、飼い主さんに状況を説明して今後の方針を相談し、CT検査や手術の根治治療をせずに、内服薬で対症療法の治療を進めることに決めました。その後、一時的には体調が持ち直したものの、他の部位にできた腫瘍が原因で亡くなってしまいましたが、飼い主さんからは「しっかりと思い出を残すことができたし、亡くなってしまったことも納得できた」というお言葉をいただきました。
検査や手術をどこまで行うかは飼い主さんによって考えが異なります。こちらが希望に添えない場合もありますが、できる限りご希望に沿った、その中で最大限の治療を行うようにしています。

―最後にメッセージをお願いします。

航院長:飼い主さんの疑問を解消できなければ検査も治療も進められないので、診察中の疑問も、本やインターネットで調べて疑問に思ったことも遠慮なくなんでも聞いてもらいたいと思います。飼い主さんが求めている情報は全力でお伝えしますし、些細な疑問の中に病気のヒントが隠されていることもあります。
飼い主さんに説明をして理解をしてもらうことが一次診療であるホームドクターの役割です。これからも飼い主さんに寄り添って診療をしていきたいと考えています。

話を聞くことからはじまる診察、心に寄り添う動物病院を目指して

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住所
神奈川県相模原市中央区富士見6丁目13−21
電話番号
042-707-1522
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 けが・その他