影響しあう腎臓と心臓の不調。状態を見極めて適切な対処を
ペットにも起こる、腎不全と心腎関連症候群。細やかに状態を把握し、適切な治療を行う必要があります。
- ちょう動物病院 栃木県下野市
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- 長 哲 院長
目次
2021年7月に東矢口へ移転して、「あやべ動物病院」から「蒲田どうぶつ医療センター」に生まれ変わりました。診察室が4部屋に増え、手術室の設備も増やしました。動物病院では珍しいかと思いますが、診察室は1階と2階の両方にあります。2階に待合室と診察室3部屋があるので、飼い主さんにはエレベーターで上がっていただきます。1階の一番広い診察室では、大型犬の子やエレベーターでの移動が大変な方の診察、トリミング前のチェックなど行っています。
院長とスタッフは移転前から変わらず、アットホームな雰囲気を大切にしている病院です。私もそうですが、飼い主さんのお話を聞くことが好きなスタッフが集まっているので、今までと同じようにお気軽にお越しください。
建物は大きくなりましたが、当院は地域に密着した“かかりつけ病院”です。2020年から導入した予約制によって、お待たせする時間が短くなり、私たちも落ち着いて診察ができるようになりました。
病院名には、「“医療センター”という名前にふさわしい診療を行う」という決意も込めています。元気なときは予防やパピーパーティーなどで気軽に来ていただき、もし病気が見つかったら適切な治療を提案する。ペットを総合的にケアすることが当院の特徴です。
飼い主さんとのコミュニケーションをしっかりとり、「飼い主さんがどのような治療を望んでいるか、その子にはどのような治療がベストか」を重視して、複数の治療法を提案することを心がけています。
動物病院での相談は、体のどこか1か所だけの問題ではなく、複数の症状や問題が出ていることがよくあります。そのため、全身を診てほかの部位で変化が起きていないか、正しい治療ができるかどうかを判断することも大切です。必要があれば二次診療病院を紹介しています。判断がつかないまま正しい治療ができずに長引かせてしまうのは良くないので、幅広い判断能力を身につけるために研鑽しています。
飼い主さんの事情も最大限考慮して、時間外の対応も行っております。「入院している子に朝会いたい」などのご希望があればご相談ください。夜間など対応できない時間もありますが、可能な限りお一人おひとりに合わせた対応をしていきたいと思っております。
専門診療では外科専任の先生がいます。ペット自身の状況や飼い主さんの環境によってどのような治療ができるかも変わってきます。ですから、「こんな治療もありますよ」と、難しい手術も含めて考えられるだけの治療法を提案しています。
避妊、去勢手術や歯科、腫瘍の摘出手術など幅広く行っています。脳と心臓以外の手術は当院で実施できます。ただし、手術は術後の管理を適切に行うことも大切で、たとえば頸椎の手術は24時間体制で術後のケアが必要となります。このようなケースでは、当院ではなく大学病院で手術を行う方がその子のためです。手術内容や術後の管理も含めてご説明し、どこで手術を行うのがベストであるかを飼い主さんと相談して決めています。
手術室には、シーリング機器と内視鏡を新しく導入しました。シーリング機器は糸を残さずに手術ができるので、出血や副反応が起こりにくい安全な手術が可能となります。内視鏡の導入により、早期の腫瘍や炎症の発見ができるようになりました。また、再生医療も導入予定です。再生医療は、腫瘍の手術後の転移を防ぐために使用する、猫ちゃんの治らない傷や皮膚病の痕に使用するなど、今までは選択肢がなかった症例に対して治療を提案できるようになります。再生医療の学会に所属して勉強中ですが、早く皆さまに還元したいと思っています。
病院に入るときはペットだけでなく、飼い主さんも緊張しがちですが、普段の雰囲気で話していただけるように心がけています。わんちゃん猫ちゃんに話しかけたり、おやつをあげたり、その子の性格にあわせて診療しています。飼い主さんが望まれていること、気になることも忌憚なくお伝えください。そのご希望に添えるように全力でサポートします。ゴールをどこに設けるかを一緒に話し合って決めましょう。1匹でも元気になってくれるペットが多くなることを願いながら、これからも診療にあたっていきます。
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ペットにも起こる、腎不全と心腎関連症候群。細やかに状態を把握し、適切な治療を行う必要があります。
慢性腎障害は、早期発見で治療の選択肢が広がります。丁寧な検査と適切な診断で、ペットと健やかな毎日を。
歯周病は犬や猫にも多く、進行すると全身に影響します。早期発見と予防には、日頃の口腔ケアが大切です。