動物がもともと好きで、小学校5年生のときにはもう獣医師になることを夢見ていました。私が子供の頃は捨て犬がまだけっこう多い時代で、学校帰りによく拾って帰っていたんです。拾ってきた子の子どもも生まれ、一番多い時ですと犬が9匹、ウサギが24匹になりました。それだけ多くの命があるということは、それだけ多くの命が失われるということですから、そのたびに「自分で助けたい」という気持ちが強くなっていったのが、獣医師を目指すきっかけでした。やがて、栃木で開業して獣医師をするという人生しか考えなくなりました。
専門分野は特にはないのですが、大学時代に専攻してやっていた内科は好きでやっていますね。診療している動物は犬と猫のほかにウサギ、ハムスターです。ウサギを診る病院は多くはなく、遠方からもたくさんの飼い主さんがいらっしゃいます。20年くらい前はウサギをしっかりと診られる獣医師は少なくて、複数の病院に行っても病気の原因がよくわからないために死んでしまうケースがありました。だから、自分が獣医師になったときにはウサギもちゃんと診られるようになりたいと思っていました。ただ、犬や猫と違ってまだまだ研究が発展途上です。病気について解明されていない部分も多くありますが、懸命に勉強しています。
北海道の酪農学園大学で学び、2008年に卒業後、北海道北見市の病院に4年ほど勤務しました。勤務地の周囲に大学病院などが無かったため、簡単には大学病院などに紹介ができないし、CTやMRIを撮りたくてもすぐには行けない。このため、難しい病気であっても病院に来た時点で、自分たちでやれるところまでやらないといけない状況でした。紹介病院に囲まれた環境よりは、より積極的な姿勢で仕事ができる病院だったのでたくさんの経験が積めたと思います。その後、2年間、ご縁があった滋賀県栗東市の病院に勤めました。
最初から故郷の栃木県に戻ってくるつもりでした。現在は平均すると月に600件くらいは診ており、うち犬と猫が8割、ウサギが2割程度でしょうか。2017年9月に西城南から東城南へと病院を拡張移転しました。駐車場や診察室を広くし、手術室やICUの位置も処置がしやすいように院内の作りを変更しています。新しく内視鏡を導入したので、異物の除去など今までできなかった処置もできるようになりました。また検査室と診察室のモニターが連動しており、別室で検査をしてその結果をすぐに飼い主さんに共有することができます。飼い主さんがいると甘えてしまい検査ができない子や、暗室でしかできない眼科検査などで使います。他にも、大型犬の子に対応した診察台や犬舎、待合室では緊張してしまう子に病院の外で待っていただくようのスペースも用意しました。
メルどうぶつ病院
雑談も診療の一部。皮膚科、腫瘍科に力を入れ、ホームドクターとして1.5次診療を目指します。
診察室でのお話と受付での雑談も診察の一部です。ホームドクターとしてなんでも相談してください。
投薬治療で改善しない病気や症状も、食事指導や漢方処方を中心とした伝統医学により治る可能性があります。