救える命のために手を尽くす、供血犬のいる動物病院
血液系疾患患者のための輸血外来を設置。腫瘍や慢性疾患等のセカンドオピニオンにも積極的に対応します。
- クレア動物病院 大阪府大阪市天王寺区
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- 田中 誠悟 院長
頼れる獣医が教える治療法 vol.075
目次
2020年に開院したこの「キャットクリニック世田谷」は、その名の通り猫を専門に診る動物病院です。半地下のためとても静かで、他の動物の匂いや鳴き声もないため、猫がストレスを感じることなく安心して受診できるのが特徴です。また、デジタルでレントゲン画像を取り込む「デジタルX線システム」や、腹部の臓器、心臓機能、関節、妊娠の検査・診断などに用いる「超音波診断装置」、超音波メス、血球計算機など、院内設備の拡充にも力を入れています。さらに、当クリニックの本院である「羽根木動物病院」では高難度の手術や再生医療にも対応しており、必要に応じてより高度な医療を提供することも可能です。
猫の心身に掛かる負担や飼い主様の費用的な負担を考慮しながら、最もバランスのいい検査や治療を提案するということでしょうか。そのために「どこまで」「どのように」治療するかというご希望を事前にお伺いし、こちらの意見を押し付けないよう心掛けています。
また猫に対し、人間と同じように接することも意識しています。話しかけたりスキンシップをとったりと少しでも怖がらせないように配慮することはもちろん、ケージから出てもらうときも猫のペースを尊重しています。扉を開けた瞬間に飛び出してくる子や、しばらく外の様子を伺っている子など、猫によって性格は異なりますからね。
猫の腸に感染するコロナウイルスがあるのですが、7〜8割の猫が持っているといわれており、とくに純血種に多い傾向があります。この猫腸コロナウイルスが突然変異することで、腹膜炎をはじめとする強い炎症をきたし、致死率は9割以上にものぼります。コロナウイルスを保有しているだけであれば特に症状はなく、突然変異の確率も1割未満と考えられていますが、致死率が高くとても恐ろしい病気です。
また、その症状は多種多様です。病名の通り腹膜炎があれば、腹水が溜まるといった典型的な症状が見られますが、なんとなく元気がない、食欲が落ちてきた、食べているのに痩せてきたなどの症状が現れた場合、FIPと判断しにくいものです。反対に、FIPを疑って診察したところ、猫風邪やリンパ腫だったというケースも少なくありません。また以前は主に子猫がかかる病気といわれていましたが、最近では年齢に関わらず発症が見られ、これまでの定説が覆されつつあります。
かつては対症療法しか手段がなく、完治を目指すのが困難な病気でした。治療薬が非常に高価だったことも、その一因です。しかし、近年では従来に比べて安価な治療薬が流通するようになり、当院でも2022年に導入しました。完治率は約9割と、対症療法のころに比べて飛躍的に進歩しています。
ただし、薬さえあればFIPを治療できるわけではありません。前述の通りFIPは他の病気と症状がよく似ており、血液検査や尿検査などのデータ、さらには猫の様子などからFIPと的確に診断できる経験と知見が求められます。また、FIPは完治したものの「便が緩いまま」「神経の障害で後ろ足がぐらつく」といった後遺症が残る症例もあり、注意が必要です。
やはり、FIP治療の実績が豊富な病院を選ぶことが大切ですね。例えば当院ではFIPの症状を多数見てきた経験をふまえ、「後遺症が残りそうだな」と感じた際は、本院と連携して幹細胞を用いた再生医療を提供することも可能です。実際、FIPの重い後遺症により排尿障害になってしまった猫が、再生医療により救われたケースもありました。このように、FIPを治すだけでなく、FIPによる後遺症などをケアできることも当院の強みと考えています。
何よりも飼い主様にお願いしたいのは、少しでも様子がおかしいと思ったらすぐ病院に連れてきていただくことですね。普段の様子を知っているのは飼い主様だけです。重症化や後遺症のリスクを減らすには、ダメージを受けている期間を少しでも短くすることが大切になります。FIPの早期発見・早期治療に繋げるためにも、小さな変化を見逃さないであげてください。
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血液系疾患患者のための輸血外来を設置。腫瘍や慢性疾患等のセカンドオピニオンにも積極的に対応します。
ペットと長く楽しく過ごせる治療を選択するために、高度な機器と技術で消化器型リンパ腫を診断します。
ペットにも起こる、腎不全と心腎関連症候群。細やかに状態を把握し、適切な治療を行う必要があります。