救える命のために手を尽くす、供血犬のいる動物病院
血液系疾患患者のための輸血外来を設置。腫瘍や慢性疾患等のセカンドオピニオンにも積極的に対応します。
- クレア動物病院 大阪府大阪市天王寺区
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- 田中 誠悟 院長
頼れる獣医が教える治療法 vol.068
目次
人間の医療と同様に、ペットのための医療も進化し続けています。かつて動物の正確な病状については分からないことが多く、具合が悪くなってから治すという対症療法が主流でした。しかし今は内視鏡などの医療機器が進歩したことにより、ペットの病状や治療法について、格段に適切な判断ができるようになりました。大切なのは人間と同じく、病気が悪化してから対処するのではなく、その前に予防することです。ですから私は、病気の早期発見と正確な診断、そして適切な治療のために、内視鏡を活用した医療に注力しているのです。
今までできなかったことができるようになるのは、獣医としてのモチベーションに繋がっています。何より飼い主様の大切なペットを“治療できる喜び”は、大きな原動力になっています。当院では私自身がそれら高度医療に実績のある病院で研修を受けさせていただいているほか、当院で働く獣医師たちも大学病院や救急病院などで研鑽を積んでおり、難しい症例にも対応できるよう診療体制を整えています。
たとえば「オトスコープ」は、日本語で耳道内視鏡と呼ばれ、主に耳の病気の検査や治療に利用されます。犬の耳の病気で最も多いのは外耳道炎ですが、なかなか治らずに困っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。これまでは、耳鏡により肉眼で耳の中を観察し、手の届く範囲の掃除を行うのが精一杯でした。その要因ともいえるのが、複雑な耳の穴の構造です。
犬や猫の耳の穴(耳道)は人間のようにまっすぐではないため、耳の奥や鼓膜が見えにくく、検査や治療を困難にしていました。しかしオトスコープを使用すれば、従来の耳鏡では難しかった耳の奥や鼓膜までクリアな画像で確認することができるため、より正確な検査や治療を行うことができます。耳の病気が重症化するのを防ぎ、何度も病院に足を運ぶ負担を軽減するためにも、とても価値のあるツールです。
まずお伝えしたいのは、犬や猫の去勢手術や避妊手術は、病気を予防するうえでもぜひ行っていただきたいということです。発情期に分泌されるホルモンは、オスであれば精巣腫瘍や前立腺肥大、メスであれば乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気に繋がるリスクがあり、去勢・避妊手術によりそれらを低減させることができます。
特にメスの乳腺腫瘍に対しては、早い時期に避妊手術を行うほど予防効果が高くなることがわかっているのです。犬であれば発情前に行うことで99%以上、初回発情期で90%以上の予防効果が、猫であれば生後6か月までに行うことで90%以上、7〜12か月までに行うことで85%以上の予防効果が認められています。
最大のメリットは、手術の傷口を小さくできることです。術後の痛みは傷口の大きさに比例しますが、一般的に開腹手術では最低でも2cm程度の傷口が残ります。一方、腹腔鏡による手術であれば0.5cm程度の傷口が2つ残るだけなので、開腹手術に比べて痛みや体への負担を大幅に軽減することができるでしょう。
ペットの負担が少ない一方で、飼い主様にとって負担になってしまうのが手術費用です。おおよそ、開腹手術に比べて1.5倍強の金額がかかります。どちらを選ぶかは飼い主様の考え方によりますので、当院では任意で選べるようにしています。
はい、避妊手術は、開腹する場合でも最小の傷口に抑えています。また手術を行う際は、執刀医のほかに助手と麻酔モニター担当をつけるようにしています。このようにスタッフが充実していることも、当院の特徴のひとつですね。さらに2次病院から麻酔専任獣医師を定期的に招聘し、様々な疼痛管理方法や麻酔負担を軽減する方法の指導を受けており、日々の手術や診療に役立てています。
ちなみに病院名のアステール(Aster)とは、ギリシア語で星を意味します。この街の動物医療の一番星になりたい──そんな想いで命名しました。これからも正確で適切な医療、ペットに負担の少ない医療を追求し、飼い主様から信頼される動物病院を目指してまいります。
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血液系疾患患者のための輸血外来を設置。腫瘍や慢性疾患等のセカンドオピニオンにも積極的に対応します。
ペットと長く楽しく過ごせる治療を選択するために、高度な機器と技術で消化器型リンパ腫を診断します。
ペットにも起こる、腎不全と心腎関連症候群。細やかに状態を把握し、適切な治療を行う必要があります。