金子 泰広院長 アニマルクリニック イスト | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.001

犬の前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼
整形外科系疾患
犬の前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼
アニマルクリニック イスト
金子 泰広院長
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「物心つく頃からそばにはいつも動物がいて、身寄りのない犬や猫を育てていました」という金子院長。そんな動物たちが病気や不慮の事故で亡くなっていく姿を目にするうちに、「救える命があるなら自分の手で救いたい!」という思いで、獣医師になることを決意。北里大学獣医学科を卒業後、東京大学大学院付属医療センターでの研修医を経て平成20年、相鉄線かしわ台駅近くに「アニマルクリニックイスト」を開院。以来、地元密着型の”頼もしい獣医師さん”として、一般診療や整形外科診療にあたってきた。そんな金子院長に近年増加傾向にあるという関節疾患「前十字靭帯断裂」「膝蓋骨脱臼」を中心にお話を伺った。(取材日 2016年9月26日)

実は関節疾患で来院する犬にはトイプードルなどの人気犬種が多い

―近年は整形外科的疾患を抱えたペットが多いと聞きますが?

街の動物病院でよく診る疾患は下痢・嘔吐や皮膚病などです。それは当院でも変わりませんが、確かに近年はそれに加えて、ちょっと足が痛そうとか、歩き方がおかしいので、と連れて来られる飼い主さんが増えています。飼い主さんが普段からペットの状態をよく見て下さっているからこそだと思います。

― 中でも、どのような疾患がよくみられますか?

歩き方がおかしい原因は前肢・後肢ともにありますが、当院では特に膝蓋骨脱臼や前十字靭帯損傷が見つかるケースがしばしばですね。前十字靭帯は大腿骨と下腿骨をつなぐ太い靭帯のひとつですが、膝をねじってしまったり伸ばす方向に強い力がかかったりすることによって切れることがあります。この病気の要因のひとつが加齢です。つまり歳を取ってから起こることが多いので、当院に来ているペットの中にも高齢になり、ちょっとしたはずみで前十字靱帯を損傷してしまうケースも多くなりました。全国的な統計でも、関節症状を伴う変形性関節症の発生頻度は、10歳以上の犬で45%は見られているという報告もありますから、このような病気の絶対数も増加していると思います。

―前十字靭帯断裂は具体的にどのような症状が現れるのでしょうか?

まず、症状として見られるのが足を着地しづらくなることが挙げられます。前十字断裂によってズレが生じるため、歩きにくくなります。ただ、前十字靱帯は切れた時点ではおそらく違和感を覚える程度なのだと思います。ところが前十字靱帯を断裂したことで、その部分が動作のたびに擦れを起こします。そうすると、膝関節の中に滑膜炎という炎症ができて、それが一気に痛みとして出てくるため、出来るだけその足に体重をかけないよう足を引きずるようになります。

―では、膝蓋骨脱臼はどのような症状なのでしょう?

これは後肢にある膝関節のお皿(膝蓋骨)が、本来収まっている溝から外れてしまう状態を言います。多くが先天的なもので、膝関節の周りの筋肉や骨、靭帯などの形成異常が原因です。こういった形態異常を持つ犬は、歩いていてちょっと振り向いた刺激などでポンと外れてしまうというのが特徴です。後天性のものとしては打撲や落下などによる外傷が原因です。初期は無症状の場合が多く自然と元の位置に戻ってしまうこともあります。ですが、酷くなると膝関節のお皿が外れたままになってしまいますので、手術で開いてみると溝が変形をおこし、炎症がひどくなっている場合もあります。

―膝関節疾患を起こしやすい犬に共通点はあるのでしょうか?

ひとつは先に述べたように加齢によるものです。そして、もうひとつが膝の問題を抱えている犬の多くが、ポメラニアンやチワワ、マルチーズ、トイプードルといった、今人気の犬種であるという点です。昔のようにゴールデンレトリーバーやシーズー、柴犬といった犬種が人気だった頃には、あまり骨折や膝関節の疾患は多くありませんでした。そういう意味では、トイ種と言われる四肢が細い犬種が人気で絶対数が多くなったということが言えます。加えてそういった犬種が高齢になったことで、必然的に膝関節疾患を抱える犬の数が増えた。背景には、そういった要因があるのではないかと思います。

 

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犬の前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼

アニマルクリニック イスト

場所
神奈川県海老名市 柏ヶ谷682 -106 MAP
電話
046-292-1112
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 けが・その他

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