ノア動物病院 平子 毅 院長 田村 雄治 獣医長 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.087

日常的な動作でも発生する、小型犬の橈尺骨骨折・椎間板ヘルニア
整形外科系疾患
日常的な動作でも発生する、小型犬の橈尺骨骨折・椎間板ヘルニア
ノア動物病院
  • 平子 毅 院長
  • 田村 雄治 獣医長
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札幌市豊平区の「ノア動物病院」は、子犬・子猫からシニアまで、また予防医療から高度医療まで、ペットの一生涯をトータルサポートするという理念を掲げている。整形外科系疾患の治療にも積極的に取り組み、高度な獣医療技術と充実した医療設備、専門性の高いチームによる幅広い診療を提供。トイ犬種と呼ばれる小型の愛玩犬に多い橈尺骨(とうしゃっこつ:前腕部の骨)骨折や、ミニチュアダックスフンドでよくみられる椎間板ヘルニアについても豊富な手術実績を持つ。診断から術後のケアまで一貫して対応し、地域に寄り添った獣医療サービスを提供する同院の平子毅院長と田村雄治獣医長にお話を伺った。(取材日 2025年12月9日)

小型犬の橈尺骨骨折や椎間板ヘルニアは、丁寧な診察による診断がカギ

― 犬が足を引きずっているとき、どのような疾患が考えられますか?

田村獣医長:「足をひきずる」という症状から考えられる疾患の種類は幅広く、発生時の状況や様子などを飼い主様に伺いながら、視診や触診によって負傷部位や原因となる疾患を特定していきます。さらに画像検査や超音波検査、血液検査などを行い、最終的な診断をします。
特定の年齢や犬種で発生しやすい疾患もあり、例えば前肢なら成長期の小型犬では橈尺骨骨折を、後肢なら成長期の小型犬ではレッグ・ペルテス病、また中年齢ミニチュアダックスフンドでは椎間板ヘルニアを疑うことが多いです。また、膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂で見られる「スキップするような」歩き方をはじめ、疾患によって特徴的な症状が現れる場合もありますので、視診は重要な役割を果たします。中でも犬の前腕部にあたる橈骨・尺骨の骨折である橈尺骨骨折は、当院を受診される整形外科系疾患の中でも比較的多いものです。

― 橈尺骨骨折について教えてください。

田村獣医長:犬種を問わず発生しますが、小型犬、特にトイ犬種と呼ばれる小型の愛玩犬の成長期から2~3歳時に「抱いていたら落ちてしまった」「ソファからの着地に失敗してしまった」など、日常生活における軽い衝撃でも発生する点が特徴的です。部位や症状によって治療方法は異なり、手術を行わない場合は骨折部位をギプスで固定し治療を進めます。手術を行う場合は、「プレート」と呼ばれる金属製のインプラントを骨折部位に当てて固定します。
術後は、回復と再骨折防止のため安静に過ごすことが必要です。段差を避け、運動制限をお願いしていますが、痛みが落ち着いてくると動いてしまう犬も多いので、ケージレスト(ケージの中で安静に過ごさせる)などをご提案する場合もあります。

― 椎間板ヘルニアも、小型犬には多くみられるそうですね。

田村獣医長:胸腰部椎間板ヘルニア、いわゆる腰のヘルニアといわれる疾患で、特にミニチュアダックスフンドの中年齢(3~7歳程度)で突出して多くみられる整形外科系疾患です。先ほどの橈尺骨骨折では、痛みを避けて足先を床につけないよう持ち上げる動作が多く見られますが、椎間板ヘルニアは麻痺状態なので、後ろ足がうまく動かず引きずるような症状が現れます。「抱いた時に痛がって鳴く」などの症状で来院されることもありますね。やはり問診、視診、触診、そして必要な検査を行った上で診断し、治療へとつなげます。椎間板ヘルニアのような疾患では、早期発見・治療が重要です。ちょっとした違和感でも、お気軽にご相談ください。

国際資格と充実した設備を活かした外科チームが、日々進化する獣医療を提供

― 貴院の特徴を教えてください。

平子院長:当院は1984年に豊平区で開院し、地元に根付いた動物病院として数多くの診療を行ってきました。年齢に関わらず予防医療から高度医療までを提供、トリミングサロンやペットホテルも併設し、その子の生涯をトータルサポートするという理念を掲げています。
多様化する現代においては、地域の動物病院で幅広い獣医療サービスの提供が求められます。当院でも、日々進歩する獣医療を積極的に取り入れ、技術から設備面まで最善を尽くせるよう努力しており、獣医師に加え看護師や看護助手の総合力で、幅広い疾患や状況に対応できるのが特徴です。そして外科の分野には特に力を入れており、田村獣医長率いる外科チームが活躍しています。

― 田村先生は、外科をご専門とされているのですね。

田村獣医長:私は北海道大学動物医療センターで研修医を経験し、外科的処置全般に関する専門知識を体系的に学びました。そして技術のさらなる向上のために、昨年までの2年間、国際的な獣医師資格認定組織であるISVPS(The International School of Veterinary Postgraduate Studies)の研修プログラムに参加し、ISVPSが認定する「小動物外科認定医(GPCert SAS)」の試験にも合格、資格を取得しています。

当院では、責任者である私と日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医Ⅱ種の資格をもつ獣医師が、専門知識と経験を活かした外科診療を行っています。開胸術や肝葉切除、尿管外科などの軟部外科から、骨折整復や前十字靭帯断裂整復といった整形外科まで幅広く対応し、珍しい症例も積極的に受け入れ、後進育成のための指導にも力を入れています。土日も含め手術は毎日実施していますが、週に1度、手術に集中できる日を設けており、時間のかかるケースも万全の体制で臨めるようにしています。もちろん緊急手術にも対応しますし、充実した設備を生かしてCT検査なども実施しています。

ドクターからのメッセージ
  • 平子 毅 院長
  • 田村 雄治 獣医長

田村獣医長:当院では、気さくなスタッフが動物たちとの触れ合いを楽しみにしつつ、皆さまをお迎えしています。犬や猫に加えてフェレット、ウサギ、モルモット、ハムスターなども幅広く診療しますので、遠慮なくご相談ください。
平子院長:当院の設備や獣医療サービスを、できるだけ多くの方々にご活用いただきたいですね。他院の先生方におかれましても、CT検査のご依頼など、お気軽にご連絡ください。獣医師間や動物病院間の連携を強化し、地域全体の獣医療サービスの向上に貢献できれば幸いです。

日常的な動作でも発生する、小型犬の橈尺骨骨折・椎間板ヘルニア
日常的な動作でも発生する、小型犬の橈尺骨骨折・椎間板ヘルニア

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住所
北海道札幌市豊平区美園1条2丁目3−21
電話番号
011-841-0729
最寄駅
白石駅、東札幌駅
アクセス
白石駅、東札幌駅どちらからも徒歩約15分程
東北通り沿いにある「ツルハドラッグ美園1条店」さんの裏
美園公園の向かい
駐車場
あり(12台)
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット モルモット
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 けが・その他 軟部外科