頼れる獣医が教える治療法 vol.028
飼い主さんとワンちゃんが緊張感を持たずに診察やカウンセリングを受けられるように、カフェの中にクリニックをつくりました。自宅のリビングルームに飼い主さんを招くイメージです。皮膚や耳の病気は話し合う内容が多い科目なので、リラックスして気になることや困っていることなどをお聞かせいただきたいと思っています。
1階はカフェ、地下1階がクリニックとトリミングサロン、犬の同伴ができるカフェとなっています。誰でも気軽に来てもらえるように「病院らしくない」ようにしました。
東京農工大学の皮膚科研修医として出会った3人で立ち上げました。通常の動物病院での診察では、どうしても診察の時間が限られて十分な説明ができない場合があります。「もっとリラックスした環境で飼い主さんの話をしっかりと聞ければ、より良い診察ができるのではないか」という思いからスタートしました。
同じ先生がずっと診療をしていると治療がワンパターン化してしまう恐れもありますが、当院では3人で診療方針について検討していますので、幅広い治療の提案が可能です。
完全予約制で、一般診療だけでなく皮膚科と耳科に特に力を入れて診療を行っています。皮膚病といっても、皮膚だけを診ればよいわけではありません。皮膚以外のところに原因が隠されていることも多いのです。お困りのこと、生活スタイル、どのような治療を望まれているかなどお聞きしながら、検査や治療方針を決定します。
当院ではスキンケアを重視して、薬に頼りすぎない治療を目指しています。そのためにシャンプーは欠かせない治療です。診察時にシャンプーの使い方をお伝えすることはもちろんですが、ご家庭でシャンプーすることが難しい場合はトリミングサロンとも連携して治療を行います。
飼い主さんの悩みを解消することを意識しています。動物病院は、ワンちゃんが自分の痒みに困って来るのではなく、痒そうにしていることについてご家族が悩んで連れてきてくれるのです。ペットを治すことはもちろん、飼い主さんが抱えている悩みを治すことを心がけています。
また、飼い主さんの協力なしに皮膚科診療はできません。たとえば、アレルギー性疾患は完治ではなく良い状態を維持することが治療のゴールとなります。ところが、そういった説明が不足していると「いつまで治療が続くのだろう」と飼い主さんに不安を抱かせ、治療を頑張って続けてもらうことができなくなってしまいます。病気を理解してもらい、納得されてから、どのようにケアしていけばよいのかと話を進めることができるのです。インフォームドを徹底し、飼い主さんと二人三脚で治療を行います。
皮膚と耳専門 ヒフカフェ動物病院 多摩川
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