三笠 直也院長 ダクタリ動物病院八尾 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.003
ダクタリ動物病院八尾
  • 三笠 直也院長
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近鉄大阪線久宝寺口駅を南に約500メートル。情緒あふれる久宝寺口商店街を通り抜けたところに位置する『ダクタリ動物病院八尾』。太陽光が注ぎ込む吹き抜け天窓の明るい待合室、笑顔で出迎える優しいスタッフの方々など、三笠院長の明るく親しみやすい人柄が随所に感じられる温かみのある病院だ。
2001年の開院以来、犬と猫を中心とした近隣ペットたちの心強いホームドクターとして絶大な信頼を誇る当院。オーナーだけでなく、なによりも患者であるペット一匹一匹と真摯に向き合い、からだや心の不調の原因を素早く見極める手際のよさが評判を呼んでいる。地元のペットたちの健康を支える頼れるかかりつけ医、三笠院長の素顔を探ってみた。(取材日 2016年11月9日)

目次

ペットと飼い主が生き生きと暮らすQuality of Lifeを獣医の立場から応援

―三笠院長の経歴や専門、獣医になったきっかけなどをお聞かせください。

獣医を志したのは、ひとえに動物が大好きだったからです。子供の頃から犬を飼っており、漠然と獣医になる夢を持っていました。高校を卒業後、山口大学農学部獣医学科に進学し、外科学教室で学びました。大学では教授の助手をしながら見て学ぶ生活でしたが、卒業後に勤務した動物病院で、犬や猫をはじめ色々な動物の症例に出会って臨床経験を積み、約15年前に「みかさ動物病院」(現在は「ダクタリ動物病院八尾」に名称変更)を開業しました。
現在は、気軽にお越しいただける犬と猫を中心とした動物病院として、日々、多くのペットに囲まれています。子供の頃からの動物好きが高じて、この仕事を続けているのです。実は自宅でも犬2匹と猫9匹を飼っているんですよ。

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―本当に動物がお好きな院長ですが、診療で特に心がけていることはありますか?

常々、動物の心を読みたいと願いながらペットに接しています。「なぜこの症状が出たのか」という原因を探るために、ペットの体中をくまなく触診します。また、飼い主さんにこと細かくペットの日常生活や普段の様子を質問しますので、オーナーの方によっては驚かれることもありますよ。しかし、なるべく早く病気の原因を究明し診断を下すこと、そして適切な治療を行うことこそが、私ども獣医の重要な仕事だと思っています。そのためには、日頃のペットの行動や食生活などを詳しくお聞きする必要があるのです。

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―ペットの日常生活に関して、どのようなアドバイスをされていますか?

全てマニュアル通りの画一的な医療ではなく、それぞれのペットに合わせた治療や指導を行うようにしています。なによりも重視しているのは、ペットの幸せな生活、つまりQuality of Lifeを守ること。規則だらけの味気ない生活ではペットもストレスが溜まります。
たとえば、ペットの食事についての質問がよくあるのですが、私自身はペットフード以外の肉や野菜なども少量ならOKという考えです。もちろん、「味つけなしで生肉は避ける」というような基本的な約束事は守っていただきます。
「おいしいものを食べたい」、「散歩をしたい」、「飼い主と遊びたい」という欲求が満たされなければ、ペットは無気力で意気消沈した様子になり、心身ともに消耗してしまうことがあります。また、運動不足から肥満になる子も増えています。生活習慣や心理状態が健康に大きく関わっているのは、人間だけでなくペットも同じだと思います。

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―ペットの健康を維持する秘訣があれば教えてください。

まずはペットと一緒に過ごす時間をもっと増やして、日頃から自分の愛犬や愛猫の様子をよく見てあげることが大切です。毛並みや水を飲む量、うんちの質などを毎日観察しているだけでも、ペットの調子の良し悪しがなんとなく見分けられるようになります。病気は早期発見が何より大切です。末期になってから病院に連れてきても、獣医師のできることは残念ながら限られていますから。
ペットの予防医学も大いに賛成です。5歳以上の子は半年おきぐらいに血液検査をしてあげることで、多くの病気を早期に食い止めることができます。当院では予約なしで検査を受けていただけます。血液検査の当日は朝ご飯を抜いて、午前中にお越しください。

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かかりつけ医ならではの細やかなケアとコミュニケーション

―ダクタリ動物病院八尾の特徴や得意分野を教えてください。

犬や猫の病気の診断・治療を総合的に行っていますが、特に皮膚病に力を入れています。当院の特徴は、私自身が来院したペットを全て担当するという点ですね。大きな病院の場合は獣医も複数いるので、行く度に担当医が替わってしまい、「よく治療方針が把握できない」という飼い主さんもいますが、うちは私一人ですから(笑)。
地元密着型の動物病院なので、ペット一匹一匹の病状や性格なども把握しています。たとえば、心臓の悪い子や怖がりの子は、通常の待合室ではなく別の個室で待機してもらうなど、ペットの個性に合わせた細かな気配りをしています。治療のほかに、ペットの爪切り、肛門腺や足の裏のケアなど、来院するペットとできるだけ触れ合って、それぞれのペットと関係を深めていく努力もしています。

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―院長一人で全ての診療を行うと、ご自身にかなりのプレッシャーがかかっているのでは?

ご指摘の通り、患者であるペットの病気を一人で診きるというのは結構なプレッシャーですね。そのプレッシャーに負けないために、近くの八尾ボクシングジムに半年ほど前から通い始めました。診察を終えた後にボクシングで汗を流してリフレッシュします。他には妻や子供たちと一緒に甲子園球場に行って野球の観戦をするのも大好きです。実は家族そろって大の阪神タイガースファンで、シーズン中はほぼ通い詰めるほどの野球好きなんです。

―なるほど。ご趣味も関西密着型ですね(笑)。地元で長い付き合いの飼い主さんも多いと思いますが、どのようにコミュニケーションをとられていますか?

私は八尾生まれの八尾育ちで、この地に開業しましたから、とても長いお付き合いの飼い主さんも少なくありません。飼い主さんからの情報はペットの病気を特定する重要なヒントになりますし、ペットの病状を理解してもらい、治療方針に納得していただかなくてはならないという点でも、飼い主さんとのコミュニケーションは非常に重要です。
ペットの病状によっては治療にかなりの費用がかかってしまうケースもあります。悔いなくペットの治療を行うためにペット保険に加入するのもひとつの手だと思いますよ。犬や猫などのペットなら3~5割負担で治療を受けることができますから。納得できる治療を行ってペットを健康にしてあげたいと思う気持ちは、獣医師も飼い主さんと同じです。

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―現在、よくある病気や相談はどのようなものがありますか?

一番多いのは下痢や嘔吐で来院するケースですね。この場合、よくある原因は「変なものを食べてお腹をこわした」など、いつもと違うものを食べたり、普段と違った行動をとったりしたことがきっかけになることが多いようです。こういった原因を簡単に見極めるためにも、日頃から飼い主さんがペットの生活習慣や食事などをきちんと把握していると早期の診断に役立ちます。
他には、皮膚のトラブルを持つペットが多くなっています。ある時期が来ると症状が出る季節性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などです。皮膚病は何度も繰り返し、根治が難しい周期病です。そういった周期病を改善して、痒みの苦しみからペットたちを完全に救ってあげるのが私の夢のひとつなのです。

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大型医療機関との連携プレーで大切なペットの命を救う

―現在、ダクタリ動物病院八尾ではどのような機材や設備を利用していますか?

飼い主さんに実際のCR画像を見てもらいながら病気の説明ができるよう、診療室にパネル式モニターを設置しました。また手術室では、米倉涼子さん主演の医療ドラマ『ドクター.X』でも利用されているLEDライトやCOVIDENの電気メス、シーリングなどを使っています。
シーリングというのは、血管縫合の際に糸を使わずに血管を接着できる画期的な機具で、これを導入してから手術時間がぐんと短縮できるようになりました。手術時間が短いとペットのからだの負担も小さくなりますし、体内に糸を残さずに手術できるのもより安全だと言えます。他には動物用患部焼灼装置という機器があり、皮膚や口の中に出来た腫瘍に専用の針を刺して装置を起動すると、患部のみを熱で焼きとることができます。麻酔ができない高齢のペットの手術の際に重宝しています。

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―設備が色々と整っていますが、ダクタリ動物病院八尾ですべての手術が可能なのですか?

いいえ。残念ながら全ての手術・治療ができるわけではありません。CT・MRIなどの精密医療機器が必要になるガンや脳腫瘍などは、ダクタリ動物病院関西医療センターや近畿動物医療研修センターを紹介し、治療や手術を引き継いでもらうようにしています。椎間板ヘルニアやてんかんなどでもご紹介することがあります。
できない手術を無責任に請け負うことほど悪いことはありません。ペットの状態や症状を見て、個人病院の手に負えないと判断したときは、謙虚にそれを認めて治療可能な病院に引き継ぐことが肝心です。私が患者さんにご紹介する施設は高度な医療機器や設備・スタッフがすべて揃った医療機関です。また、それだけではなく、日々のお付き合いの中で感じる先生方のお人柄や獣医師としての実力も申し分ありませんから、安心して患者さんを任せられます。

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―地元のホームドクターの役割と大型病院の役割の違いはどのような点ですか?

八尾の地域に根付いた地元の獣医の役割として重要なのは、まずは不調の原因をきちんと見極めることです。発見が早ければ多くの病気は完治する可能性が高まります。ですので、患者であるペットと真剣に向き合っても、なかなかはっきりとした診断が下せない場合は、先ほどお話しに出た施設に検査や診断をゆだねるようにしています。
タイミングとしては、3日以内に診断を下せなければ、さらなる検査を早急に依頼します。自分のエゴや固執で患者の病気の発見を遅らせてはならないのです。病気の発見と治療が遅れるとペットが一番苦しむことになります。

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―先生のペットに対する愛情がよくわかりました。最後に読者の方へメッセージをお願いします。

獣医として20年以上の経験を積んできましたが、いつも強く感じるのは、病気はなってしまってから治すものではなく、予防して早期に発見するのが一番だということです。日々の忙しい生活の中で、ペットのケアを思うように行うことは難しいかもしれません。しかし、ただ触れ合って、注意して様子を見てあげるだけでも、ペットの異変に気づいてあげられる可能性は高まります。ぜひ、大切なペットの命と幸せを守るために、もっともっと触れ合う時間を増やしてあげてください。なにか不安なことがあれば、気軽にいつでも病院にお越しください。または、私の大好きな甲子園でお会いしましょう(笑)

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ペットの幸せと健康を見守り続ける八尾のホームドクター

ダクタリ動物病院八尾 地図を見る

住所
大阪府八尾市北久宝寺1丁目2−3
電話番号
072-928-6706
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 けが・その他