髙橋 誠之院長 ニュートン動物病院 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.005

整形疾患の内科的アプローチ
整形外科系疾患
整形疾患の内科的アプローチ
ニュートン動物病院
髙橋 誠之院長
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立って歩いて散歩できることを目指す内科的療法でオーナーもペットも喜ぶ

―装具を提案されるそうですが、どのようなものですか?

それぞれの子に合うようオーダーメイドで製作する医療装具をご提案しています。足や首の動きをサポートするコルセットのようなものです。人間が腰痛や肉離れなどの時に使うマジックテープ付きのサポーターにジョイントが入っているようなものとお考え下さい。サポートするだけでなく、一定の方向にしか曲がらないようになっていて、関節の可動域を狭めることで、身体の負担になる方向や、ケガの可能性がある方向には曲がらないよう固定する仕組みです。市販の商品もあるのですが、やはりその子に合うサイズのものを使うことで効果が期待できます。

―具体的に効果があった例はありますか?

例えば最近、血栓症の猫で、血が止まって足が麻痺してしまった子が来ました。右足の先が丸まって固まり、動きません。足先が不自然に丸まったまま歩くので、爪がはがれて血だらけになったり、ジャンプして段差に引っかかったりと、日常生活に支障をきたしていました。そこで、専門の会社に、石膏で足の型を取って、右足の先を伸ばせる装具を製作してもらいました。最初はふらふら歩いていましたが、徐々に足を引きずらず、まっすぐ歩けるようになってきました。その子自身も楽そうですし、オーナーさんも、「先生、諦めていたのですが、ちゃんと前を向いて歩きやすそうにしている姿がうれしいです」と喜んでくださって。この療法を提案してよかったと私も喜びました。

―犬での事例もありますか?

ウェルシュ・コーギーの患者さんで、コーギーに多い変性性脊髄症の子がいます。まず後ろ足が動かなくなり、徐々に進行して前足が動かなくなり、最終的には呼吸が止まる恐ろしい病気です。診断が難しく、有効な治療法もありません。ただ、治療の一環として足を動かすというリハビリがあります。一般的にはオーナーさんが後ろ足を持って歩かせるのですが、これはオーナーさんにとっても負担が重い方法です。そこで、運動の時だけ使う車椅子のような犬用のカートを提案しました。これならオーナーさんは立ったまま楽にリードを持って散歩できました。その子も、後ろ足を引きずらすに動けるので、積極的に歩くことで筋力の低下が通常よりも少なくなりました。こういったリハビリを毎日続けることによって、毎日のリハビリがオーナーさんにとっても負担が軽くなりました。

―整形疾患でも犬種による特徴があるのですね?

例えばヨーキーやチワワ、トイ・プードルといった小型犬は、高齢になると肩関節のトラブルが多くみられます。肩関節不安定症であったり、まったく問題なく歩いていても脱臼していたり、前足がふらついて上手く立てなかったり、前足が広がってきて立てなくなります。こういった症状は重くなると、専門医による難しい手術が必要になります。高齢だからと諦められるオーナー様が多いのですが、前足を固める装具を使うなどの内科的アプローチで、もう一度立てるようになる子もいますし、そうなる前に予防的にもできることがあります。また、そういった小型犬種は潜在的に膝関節のトラブルを抱えていることが多いです。体重が軽いため症状が表れにくく、症状が出る頃には膝だけでなく後ろ足全体が変形してしまいます。健康診断などで来ていただければ、病気のことを分かりやすくお教えできますし、どのように予防したり治療したりするのかもご説明いたします。

―自宅でできる治療もありますか?

運動療法とご自宅でのマッサージですね。整形疾患で大切なのは、筋肉を落とさせない、関節を固めないということです。症状ごとに、その子が使わなくなる筋肉を動かしたり、その子自身に動いてもらったりする運動をオーナーさんにお願いします。また、痛みを和らげるマッサージが必要な場合もあります。そういったマッサージのサポートもしっかり行います。病院だけでなく、ご自宅でも治療ができれば、少しでも長く元気に過ごしてもらえるようになると思います。

ドクターからのメッセージ髙橋 誠之院長

整形医療の技術はアップデートが早く、日々新しい治療方法や器具が生まれています。犬猫用の装具などが本格的に開発されるようになったのも最近です。今まで外科以外の治療法が提案できなかった病気も様々な提案ができるようになっています。私たちも、セミナーや勉強会に参加するなどして、「歩けないなら仕方がない」と諦めているオーナーさんの笑顔を引き出せるよう、研鑽を続けています。そして、手術や麻酔を望まないオーナーさんや患者さんのために、メスを入れないで症状をコントロールする身体に優しい内科的治療の提案に力を入れていきたいと考えています。脚をひきずっている、歩きづらそうといった症状の方、手術を提案されたが踏み切れない方はぜひ一度ご相談下さい。

整形疾患の内科的アプローチ
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整形疾患の内科的アプローチ

ニュートン動物病院

場所
神奈川県横浜市 港南区上永谷2丁目11−1 MAP
電話
045-847-3405
診察動物
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