さいとう動物病院 富岡総合医療センター 木村 太一 先生 | ドクターズインタビュー

メニュー
2,328 views

頼れる獣医が教える治療法 vol.047

犬の前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼~変形性関節症を予防する治療~
整形外科系疾患
犬の前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼~変形性関節症を予防する治療~
さいとう動物病院 富岡総合医療センター
木村 太一 先生
2,416 views
群馬県富岡市の「さいとう動物病院 富岡総合医療センター」は整形外科に力をいれる病院だ。「足を引きずる」「スキップする」といった歩き方の異常は、膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂などの膝関節の病気の可能性がある。「関節の病気は命にかかわることは少ないが、動物にも痛みがない状態で快適に過ごしてほしい」と話す木村太一獣医師は同院で整形外科を担当。ただ歩けるようにすることだけを目的とせず、将来的な病気の予防や生活の質の維持を考えた治療を提案する。最新の手術方法に加えて、手術ができない患者に対しては鍼灸などの東洋医療や理学療法を用い、飼い主の希望に応える治療を行っている。木村先生に膝関節疾患や変形性関節症について伺った。(取材日 2021年4月29日)

歩き方の異常は病院に相談を。手術や東洋医療、複数の治療方法を提案します

― 犬の膝関節の病気について教えてください。

膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂が多いですね。飼い主様から「歩き方がおかしい」と相談されるケースが多々あります。足を引きずるなどの症状を跛行(はこう)と呼びますが、病気により跛行の仕方は異なります。膝蓋骨脱臼であればケンケンやスキップ、前十字靭帯断裂であれば体重をかけずに歩くなどです。歩き方を確認して、整形学的検査やレントゲン撮影を行うことで病気を特定します。骨や関節の異常ではなく、神経の病気が見つかることもありますね。
膝関節の病気は、自然に治ることはありません。悪化すると、軟骨がすり減って神経線維がむき出しになった、変形性関節症という常に痛みのある状態になってしまいます。人間では人工関節に置き換える手術が可能ですが、動物では現状、現実的に有効な治療の手段がありません。そうなる前に治療を行うことが重要です。

― どのような治療を行うのでしょうか?

外科的治療と手術をしない保存療法の2つに分けられます。保存療法は、体重を抑えて運動制限をし、薬やサプリメントで痛みを管理する方法です。膝関節症の治療目的は、「運動機能の回復」と「将来的な変形性関節症の予防」ですが、変形性関節症の予防効果がより期待できるのは外科的治療です。
治療内容は飼い主様と相談して決めています。医学的に手術をしたほうが良くても、手術ができないことや手術を選択しないケースもあります。当院では、一般的な保存療法だけではなく、鍼灸などの東洋医療や理学療法を取り入れ、さまざまな治療を選択できる体制を整えています。

― まず膝蓋骨脱臼について詳しく教えてください。

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿(膝蓋骨)が正常の位置(滑車溝)から外れてしまう病気です。外れてもすぐに元通りになる子、たまにスキップのような動きをする子、痛みがあり動きたがらなくなる子など、症状はさまざまです。1歳未満で症状がでたり、健康診断で発見されたりすることも多いですね。膝蓋骨脱臼は前十字靭帯断裂のリスクを上げるため、両方を併発している犬もいます。膝蓋骨脱臼は、症状の観察と、治療の開始時期を見極めることが重要です。
当院では、グレード(度合い)だけで治療内容を決めるのではなく、症状について細かくお話を伺いながら手術が必要かどうか判断しています。骨に対する手術と筋肉などの軟部組織に対する手術を組み合わせて実施します。

12
犬の前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼~変形性関節症を予防する治療~

さいとう動物病院 富岡総合医療センター

場所
群馬県富岡市冨岡3058−1 MAP
電話
0274-64-0854
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他 軟部外科

新着インタビュー

MORE