頼れる獣医が教える治療法 vol.032
対話の中でご家族が抱える不安や疑問を解消することを常に心掛けています。特に初診時にはお互いイスに座ってじっくりと時間をかけてお話を聴かせてもらっています。
てんかんの診療に取り組むようになったきっかけは、「てんかんを抱える動物たちの健康を生涯にわたってサポートしたい」という思いからでした。「てんかんだから麻酔はかけられない、予防接種はできない」といった誤った認識から、適切なケアを受けられていない動物たちは少なくありません。正しい情報を発信し続けることで、より多くのてんかんを抱える動物とご家族に貢献できればと思っています。
てんかんの原因による分類として、さまざまな検査をしても異常がみつからない「特発性てんかん」と、脳に何らかの障害や傷がある「構造的てんかん」(症候性てんかん)に大別されます。構造的てんかんには、脳梗塞、脳腫瘍、外傷、脳炎(感染症や自己免疫疾患)など様々な病気があり、MRIやCTによる診断が不可欠です。当院ではこれらの装置を駆使しててんかんの原因を可能な限り追求し、薬の選択や予後(治りやすさ、生存期間)の評価をおこなっています。
椎間板ヘルニアや、鼻の中、胸やおなかの深部に発生する腫瘍(がん)の診断を含めると、直近1年間で270件ほど検査をおこなっています。
病院のあるこの地域は蒲(かば)地区といいます。より身近で、親しみ易さを感じていただけるよう、地名の「蒲」と動物の「カバ」から名付けました。カバ好きな方は意外に多く、とても好評いただいてます。カバたちはショップで見かけて衝動買いすることもありますし、プレゼントに頂くこともあるんです。年々、着々と増えていますね。院内のディスプレイはスタッフが季節に合わせて趣向を凝らし、待合室の雰囲気づくりに役立っています。来院のたびに楽しみにしてくれているご家族も多いんですよ。
かば動物クリニック
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