三枝 早苗院長 北川犬猫病院 | ドクターズインタビュー

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頼れる獣医が教える治療法 vol.012

犬の膿皮症・耳道閉塞、原因と治療法
皮膚系疾患
犬の膿皮症・耳道閉塞、原因と治療法
北川犬猫病院
三枝 早苗院長
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膿皮症は細菌感染。抗生物質に頼らないシャンプー療法で再発を防ぐ!

―膿皮症という名前もよく聞きますが、膿皮症はどのような病気ですか?

膿皮症(のうひしょう)は、犬によく見られる皮膚疾患の一つで、皮膚の細菌感染により起こる病気の総称です。ほとんどはブドウ球菌によるもので、稀に緑膿菌が原因となることもあります。
繰り返し起こるものを「再発性膿皮症」と呼びますが、膿皮症は非常に再発が多い病気ですね。
再発を防ぐために大切なのは、基礎疾患(原因となっている病気)を見つけることです。細菌感染を治療するだけでは、再発をしてしまいます。
普通の状態でも、ブドウ球菌やマラセチア、アカラスなどの微生物は皮膚上に存在していますが、通常はそれらの菌は悪さをしません。アレルギーなどで皮膚を搔き壊してしまうと細菌が増殖し、膿皮症が起こるのです。

―膿皮症の症状には、どのようなものがあるのでしょうか?

飼い主様がはじめに気づく病変は、フケや痒み、皮膚の赤み、カサブタなどです。
進行すると、その症状が全身に出るようになります。膿皮症で特徴的なことは、全身に症状が出るようになっても、顔全体には出ないことですね。おでこや口唇には症状がでますが、顔全体には出ません。

―膿皮症になってしまう原因は、どのようなものですか?

膿皮症をおこす基礎疾患は主に、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、副腎皮質機能亢進症(クッシング病)や甲状腺機能低下症などのホルモン異常が多いですね。
膿皮症の直接の原因となる細菌は、皮膚トラブルがない健康な子でも「常在菌」として皮膚に存在しています。しかし、アトピーやホルモン異常などの基礎疾患が原因となり、皮膚のバリアが機能しなくなると、細菌が増殖し、膿皮症となります。
膿皮症の起こりやすさに、年齢はあまり関係しません。免疫ができていない子犬の時期に膿皮症になる子もいますし、アトピーであれば3才頃から発症する子もいます。
犬では、どの犬種でも起こります。一方、猫では犬ほど膿皮症を起こすことはありません。舐めたり噛んだりしたことが原因で局所的に感染することはありますが、犬のように基礎疾患が原因となり膿皮症を起こすことは少ないとされています。

―膿皮症の治療はどのようことを行うのでしょうか?

基礎疾患を治療しながら、細菌感染の治療を行います。
膿皮症になってしまった場合は、病院で行う治療と飼い主様が自宅で行うケアが大切です。当院では、薬でのコントロールより薬浴、いわゆるシャンプー療法を重視しています。その子にあったシャンプーの選択から自宅でのシャンプーのやり方、タオルドライのやり方などをお伝えしています。
皮膚の表面、表皮に感染症がおきている表層性膿皮症では、シャンプー療法でキレイに治療ができます。しかし、今までにステロイドの含まれた抗菌薬を長期間服用していると、ステロイド皮膚症になり、シャンプーだけでは治らず内科治療が大変になる場合もあります。

―膿皮症を再発させないために、飼い主はどうすればよいでしょうか?

自宅でのケアを怠らないことです。治療を開始したばかりの頃は3日に1回シャンプーをする必要がありますが、皮膚の状態を見ながら徐々に回数を減らすことができます。シャンプーは大変だと思いますが、しっかりと行わないと再発の可能性が高くなってしまいます。
「抗生物質漬けにしたくない」という飼い主様からのご希望をよく聞きますし、毎日薬を飲ませることは、飼い主様にとっても、わんちゃん自身にとっても負担になります。また、抗生物質の投与法が悪いと、耐性菌が生じるリスクもあります。ですから、シャンプーを続けることは大切なのです。
自宅でシャンプーをすることが難しい方や、定期的にトリミングに行かれる方には、ペットサロンにマイボトルでシャンプーを持っていき、そこでシャンプーをしてもらうことをお勧めしています。

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犬の膿皮症・耳道閉塞、原因と治療法

北川犬猫病院

場所
東京都板橋区南常盤台1-39-1 MAP
電話
03-3958-5370
診察動物
イヌ ネコ
診察領域
皮膚系疾患 耳系疾患

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