篤史先生:私の場合は、祖父が装蹄師(馬の蹄に蹄鉄を打つ技術者)であったことが影響しています。祖父の家に遊びに行くと、裏庭には祖父が装蹄を行っている競争馬たちがたくさんいました。人と動物が共存する環境の中で動物を身近に感じて過ごし、自然と生き物に対する愛情が育まれていったように思います。次第に獣医になりたいと思うようになったのですが、残念なことに受験に失敗し、希望しない大学に入ることになりました。そのまま卒業して会社員になりましたが、どうしても獣医になる夢をあきらめきれず、会社員をしながらもう一度受験し直し、獣医を目指すことを決意しました。
まき先生:動物好きの家庭で育ち、物心ついたときから自宅には動物がたくさんいました。また、小学校でもヤギやアヒル、うさぎといった生き物をたくさん飼育していたので、動物たちのお世話が楽しく、いつか動物園で働きたいと思うようになりました。最初は飼育係を目指していましたが、飼育中に数多くの動物の死を看取ったことで、動物の病気と向き合う獣医という仕事に興味を持つようになりました。弱ったり、病気になったりした動物を、また元のように元気にしてあげたいというのが根底にありましたね。
篤史先生:宮崎大学で二度目の学生生活をスタートしましたが、親に2度も大学費用を負担させるわけにはいかないので、学費と生活費は会社員時代に貯めたお金と、死に物狂いで稼いだアルバイト代で賄いました。典型的な苦学生で、食事にも事欠くような極貧生活です(笑)。身体にムチ打って働くような想像以上に厳しい生活でしたが、まだ若かったですし、絶対に獣医になるという目標があったから、挫折することなく乗り越えられました。
将来は、地域密着型のホームドクターとして開業し、一次診療を担っていきたいと思っていたので、特定の動物種や専門疾患に特化せず、幅広くオールマイティーな対応ができる獣医師を目指しました。卒業後は、京都市、その次に兵庫県の症例数の多い動物病院に勤め、主に小動物を担当していました。
まき先生:私は、岐阜大学卒業です。院長に比べると比較的順調に獣医師人生のスタートを切りましたが、子どものときから動物園での勤務が目標でしたので、実習先は動物園。就職先も九州の動物園でした。動物園では様々な種類の動物と接することができ、動物たちからたくさんのことを学ぶことができました。飼育員兼獣医師として、飼育環境がいかに大切か、病気は病気になってから治すだけでなく、ならないような生活を提供することや、早期に発見して治療することがいかに大切か身を以て感じました。まだまだ動物園人として半人前でしたが、篤史先生と動物病院を開業するという新たな目標に向かっていくため、5年間勤務した動物園を退職し、動物病院の勤務医へと方向転換することにしました。動物園での経験を活かして、様々な動物の診療ができる獣医師になっていきたいと思っています。
こすもす動物診療所
見落とさないための丁寧な診察。院長常駐で夜間診療にも対応している、清潔感あふれる動物病院です。
超音波は痛みのないリアルタイムの体内が分かる検査。診療の可視化で飼い主と三位一体の治療につなげます。
治療可能な病気はすべて治してあげたい。予防から内視鏡手術まで対応するホームドクターです。