オズ動物病院 大園 幸志郎 院長 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.051
オズ動物病院
  • 大園 幸志郎 院長
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広島市西区南観音の空港通り沿いにあるオズ動物病院は、犬猫だけではなくウサギや鳥、爬虫類など幅広い動物種を診察する病院だ。「ペットショップにいる子は診てあげたい。ペットショップで知らない動物を見つけて調べるのも楽しいんです。」と笑って話す大園幸志郎院長。エキゾチックアニマルを診察できる病院は少なく、県外からの来院も多いという。もしものときに頼りになる病院だが、診療においては元気な時から健康診断を行うことで病気の早期発見を目指す「先制医療」に注力する。「かかりつけ医だからこそ、その子の異常に早く気づくことができる」と話す大園先生に、病院の特徴やエキゾチックアニマル診療について話を伺った。(取材日 2021年7月9日)

元気な時こそ健康診断。かかりつけ医にしかできない先制医療を目指す

― オズ動物病院の特徴を教えてください。

さまざまな動物が来院することが最大の特徴です。犬猫が中心の病院が多いですが、当院では犬猫よりもウサギやフェレット、鳥などのエキゾチックアニマルの方が多く、県外から来院していただいている患者様もおられます。
子どものころから動物全般が大好きで、それが高じて「世界中の動物全部は難しくても、ペットショップにいる子は全て診られるようになりたい」と思っているうちに、さまざまな動物を診察できる獣医師を目指すようになりました。

― 診療の際に心がけていることはありますか?

その子の状態や病気、治療方法などをしっかりと説明し、飼い主様と動物にとって最善の治療を模索することです。ほとんどの動物は人間より寿命が短く、いつか死に直面することは避けられません。「なにもわからないまま亡くなった」「なにもしてあげられなかった」と飼い主様が後悔して、その子と過ごした楽しい思い出まで辛い記憶に変換してしまったら、飼い主様だけでなく可愛がられていた動物たちにとっても悲しいことです。ですから、病気のことを理解していただき、「この病気だからこの治療をしてあげた」「手術はしなくても痛みを減らすことができた」と、向き合えるようになるのが重要だと思います。
当院では最新の医療情報の提供を行い、だからと言って治療の押し付けはせず、最終的には飼い主様が「この子を飼っていて幸せ」「また動物を飼いたい」と思えるようにお手伝いをする、そんなことを心がけています。

― 「先制医療」に取り組まれていると聞きました。

先制医療は、病気を早期発見するための健康診断を重視し、その上で病気になる前に介入する医療です。「うちの子は元気だから健康診断は必要ない」と考える方もいるかと思いますが、その子の健康な状態を把握することこそが重要です。皆さんは自分の健康診断で、前回よりも数値が大きく変化したり正常値から外れたりして、経過観察・再検査となることがあるでしょう。一方、犬猫の血液検査の場合、基準値は存在しますが正常値はありません。さまざまな犬種や年齢が合わさったデータが基準値なので、基準値内であっても必ずしも正常とは言えないのです。そのため健康なときに健康診断を行い、その子だけの正常値を知ることが大切です。
先制医療はかかりつけ医でないとできません。健康な状態を知り経過を把握することで、病気の早期発見や発症を予見して健康寿命を延ばすことが、かかりつけ医の役目だと思います。

小動物にも犬猫と同じ診療を。「いつもと違う」と感じたらすぐに病院へ

― エキゾチックアニマルと犬猫の診察で違いはあるのでしょうか?

飼い主様が不安に思われる動物の不調に対して説明や治療を行う、という基本は同じです。体重30gのハムスターやヤモリであっても必要があれば手術を行います。
異なるのは「なりやすい病気が違う」ということです。たとえば骨折の場合、犬猫では外部からの衝撃が原因となるケースが多いですが、小動物では消化管の感染症によりカルシウムの吸収ができないことが原因となるケースもあります。また飼育環境が原因で引き起こされる病気も犬猫より多いですね。診察中は基本的にケージ内にいてもらい、最低限だけ触るようにしています。「この種類のヘビは噛む、この種類は噛まない」など種類ごとの特性を知ったうえで診察をすることも大切ですね。

― 病院に連れて行くとさらに体調が悪くならないかと不安です。

飼い主様がおかしいと思ったときは、ほとんどの場合なにか問題があるので病院にいらしてください。飼い主様から電話でご相談いただくこともありますが、実際に不調があることが多いですし、電話で伺っていた症状と診察での状態が一致しない、ということもよくあります。
病院に来るのはたしかに負担になりますが、家にいても電話をしても良くはなりません。心配であれば動物のためにも早く連れて来てあげてほしいと心の底から思っています。

― 最後にメッセージをお願いします。

信頼できる、かかりつけ医を作ってほしいと思います。健康なときのデータを蓄積して検査データと比較することで病気に早く対応できます。またインターネットにはさまざまな動物の情報があふれ、執筆者が10人いれば10通りの飼い方が掲載されています。どれが正しいかと迷ったら、お金を出して得る情報、書籍の情報を参考にしてもらいたいですね。そして、動物の不調を感じたらすぐに病院にいらしてください。当院では飼い主様とペットにとって最善の治療を提供できるよう努力しています。

かかりつけ医による先制医療。病気にならないためにできること

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住所
広島県広島市西区南観音7丁目13−16
電話番号
082-296-5250
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット モルモット リス 鳥 両生類 爬虫類 魚 家畜
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 けが・その他