犬と猫のリンパ腫、検査で分かることと分類ごとの治療について
リンパ腫はタイプごとに治療方法も予後も異なる。正しい診断が最善の治療につながります。
- 水谷 格之 副院長
ペットの健康寿命の定義は実はまだ定まっておらず、当院では「介護の必要がない状態で生活できる期間」と考えました。足腰の筋肉や関節が弱くなると、ペットが自分の意志で立ったり歩いたり、トイレでの排尿や排便が難しくなります。そのまま寝たきりになるのも珍しいことではありません。また、太り過ぎが原因で生活習慣病になったり、デンタルケア不足で歯周病を起こしたりするケースもよくあります。ペットの寿命が延びたのに合わせて、自分の意志で動けて、飼い主さんと楽しく健康に過ごせる期間をより長くできるように、当院では医療的な面でのサポートとケアの充実に努めています。
筋力を落とさないことと、適正体重の維持です。若い頃の元気に動く姿を見て「うちの子は大丈夫」と思っていたら、シニア犬になってから動きがゆっくりになって、立ったり歩いたりするのが難しくなった……と、ご相談に来られる飼い主さんも増えてきました。ワンちゃんによっては犬種特有の疾患対策も必要です。ですから、老後や病気になった時のことを考え、ワンちゃんが若いうちからできることをコツコツ積み重ねるのが重要なのです。この4〜5年でペットの健康診断やジムに対する認知度は上がったと実感しています。しかし、まだ完全に浸透したとはいえません。そのため、まずはペットの健康について考える機会を設けることが、ペットの健康寿命を延ばす第一歩だと考えています。
ウェルネスライフと予防医療の考えをもとに、国産材料、無添加、食べやすさと健康面に配慮したフードを作りました。ドライタイプのフード9種類とおやつ2種類があり、おやつは猫ちゃんにもあげられます。処方食とは異なりますが、「この子の状態なら、こういうフードもおすすめですよ」と飼い主さんにご提案していますね。また、必要に応じてサプリメントをご案内することもありますよ。
予防医療、トリミング、しつけ教室・パピーパーティー(コロナ禍においては休止中)、リハビリ、ジムを主に行っています。特にトリミングでは、獣医師のチェック後、皮膚の状態によって薬用シャンプーを使い分け、それでも症状が落ち着かなければ、必要に応じて獣医師が診療・治療のご相談をしています。当院ではデンタルケアにも注力しており、歯石・歯肉炎(歯周病)の状態を確認して、必要に応じて麻酔下で獣医師がスケーリングを行います。歯磨きに慣れていない子には、グッズを使ったケアや、歯磨き教室もご案内可能です。症状と健康状態を考慮しながらその子にとって適切な対応をとることで、健康な子はもちろん、病気を抱えている子やシニアの子にも積極的に通っていただけるよう努めています。
リハビリは、病気が原因で衰えた身体機能の回復が主な目的です。対してジムは、今は健康上の問題がない子を対象にした筋力維持や体重管理が目的となります。通院の度に体重を計測して、増え方が顕著な子や、シニアと呼ばれる年齢になって今までよりも筋力維持が重要になってきた子の飼い主さんには、特にジムのメリットをご案内しています。ペットホテルご利用時や入院時にも、お預かりする子の健康状態に応じてリハビリやジムで筋力や体力の維持を目指します。
真夏や真冬、梅雨時でも天候に左右されない環境でトレーニングに専念できるのが、ジムならではの利点ですね。ジムには、若い子やシニアの健康な子だけでなく、太りやすい子や、その日のコンディション次第でできることに差がある子もやってきます。お預かりする子の抱えるお悩みに合わせて、専門の獣医師と看護師がそれぞれに適したメニューを考案・実践しています。
「若いうちにもやれることがある」「高齢でもできることがある」ということを知ってもらうのが、大切なペットの健康寿命を延ばしていくことに繋がります。ペットを「家族」として受け入れ、より綿密なケアをしてあげたいと考える方は、年々増えていると感じています。ペットと飼い主さん、双方がより幸せな未来を歩めるよう、できる限りのサポートをさせていただきます。お気軽に来院ください。
グラース動物病院
ストレスにも関連して発症する、猫の特発性膀胱炎。緊急性が高いケースもあり、速やかな受診が大切です。
飼い主様の大切なペットを“治療する喜び”が原動力、様々な内視鏡を駆使し正確な診断と治療を目指します。
高度な獣医療を町の動物病院で受けられるよう専門医がチームを組み、多くの選択肢を提供します。