グラース猫の病院 福田 あゆみ 副院長 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.045
グラース猫の病院
  • 福田 あゆみ 副院長
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JR荻窪駅から徒歩7分。住宅街が立ち並ぶエリアに「グラース猫の病院」がある。本院である「グラース動物病院」と隣接、1〜2階が待合室と診察室処置室、3階がペットホテルとなっている。院内すべてが猫専用のスペースで、犬嫌いの猫でもストレスを感じることなく通院できると飼い主からも好評だ。猫にとって心地いいとされる音楽やフェイシャルホルモン設備を導入するなど、猫が院内で快適に過ごせる工夫が随所にみられる。また、本院との連携により、診察時間外・夜間でも24時間365日対応できるのも特徴の一つだ。猫の専任従事者の認定制度を取得している副院長の福田あゆみ先生に、病院の特徴や猫の病気について伺った。(取材日 2020年9月4日)

猫のスペシャリストが提供する医療。隣接する本院とも連携

―グラース猫の病院の特徴を教えてください。

「グラース猫の病院」は、グラース動物病院の分院として2019年に開院しました。「猫に優しい動物病院」をモットーに掲げ、ISFMのCFC(キャットフレンドリークリニック)のゴールド認定を取得しております。ゴールド認定の基準においては、猫専用の入院室や、猫に“より優しい”待合室を備えていることが求められます。外の世界や環境に慣れていない猫、犬の声や匂いに敏感な猫への配慮ですね。猫の性格や育っている環境はさまざまです。怖がりな猫たちとその飼い主様にとって通いやすい空間を提供することで、飼い主様の不安要素を少しでも取り除き、気兼ねなくご来院いただけるように工夫しています。

―「猫の専任従事者の認定制度」を取得されているスタッフさんもいるそうですね。

単純に治療や処置を行うだけでなく「猫にやさしい動物病院」として、処置中の猫のストレスを軽減させるために「猫の専任従事者の認定制度」を取得した獣医師・看護師が在籍しております。この認定プログラムで、猫の専用の栄養学や生理学のほか、行動学に基づいた猫との接し方について詳しく学んできました。処置の際の猫たちへの接し方ひとつで、猫たちの負担は大きく変わると言われています。そのため、獣医師だけでなく、治療や処置の際に、最も猫と関わる看護師2名もこの認定を取得したのです。

―本院とはどのように連携しているのでしょうか?

当院は本院「グラース動物病院」と隣接しているため、万一の場合は本院で救急対応ができます。基本的な検査などは当院ですべて行えますが、精密な検査を希望される場合には、環境のより整った本院で受診いただけます。カルテは共有しているので、手術や入院が必要となった場合にもスムーズに連携が可能です。また、本院の夜間診療でも対応できますので、24時間いつでも診察を受けられるようになっています。

猫と暮らすうえで知っておきたい病気と予防について

―猫の病気予防について教えてください。

蚊を媒介して心臓に寄生するフィラリア症という病気は、どんな猫にでも起こりうる病ですので予防を心がけて欲しいです。この病気が怖いのは、感染すると根治的な治療法がないだけではなく、重症化した場合のリスクも高いという点です。予防として月に一度、ご家庭でお薬を背中に垂らすだけで、このような重症化のリスクから大切な猫たちを守ることができます。
他には、猫のデンタルケアを行うことで虫歯や歯周病の予防に役立てていただきたいですね。ブラッシング方法やデンタルケアグッズの紹介もできますので、お気軽にご相談ください。

―猫と一緒に暮らすうえで、どのようなことに気をつければよいでしょうか?

猫たちの日常生活においてトイレ環境はとても大切です。特に尿路疾患はご家庭でのトイレの環境が関わっているケースが多くあります。砂やトイレの形状が合わない、置き場所が気に入らない場合には、トイレを我慢してしまうことで膀胱炎や尿路結石をはじめとする尿路疾患になることがあるのです。
猫たちは我慢強いので体調が悪くても分かりづらいケースが多いですね。言葉の交わせない猫たちに代わって気づいてあげられるのは飼い主様のみ。ちょっとした異変でも気づいてあげて、気軽に当院に相談いただきたいと思います。早期発見、早期治療により、猫たちの負担も軽減することができます。

―猫の尿路結石について詳しく教えてください。

尿路結石は尿管や尿道膀胱などに結石ができる病気で、特に尿管結石は緊急手術が必要となることが多くあります。当院では本院での外科的な処置をはじめ、さまざまな選択肢の中から治療や処置が選べる環境が整っています。たとえば、先端医療設備のCアームは、これらの手術や検査で活躍します。
尿路結石を防ぐためには、多くの水を飲ませることが有効です。ご家庭では、飼い猫の水飲み場を複数箇所に置いてみるなど、少しでも水を飲むように工夫してみてください。また、普段与えている食事にウェットフードを加えることによって、水分補給に役立てることができます。

―最後にメッセージをお願いします。

何かあった時に「動物病院に連れていく」ということが難しい猫ちゃんもおられるかと思いますが、飼い主様はお一人で悩まず、まずは当院に一度ご相談ください。さまざまな性格の猫ちゃんがいるので、その子にあった来院方法をご提案します。また、日頃から些細なことでも頼れる”かかりつけ医”として、猫ちゃんにとって、飼い主様にとって、より快適に過ごしてもらえる動物病院となるためにスタッフ一同で努めてまいります。

猫に優しい動物病院です。本院との連携で夜間救急も対応

グラース猫の病院

場所
東京都杉並区荻窪5丁目4−1 MAP
電話
03-5335-7552
診察動物
ネコ
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 けが・その他

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