獣医師は、小学校低学年からの夢でした。両親とも動物が大好きで、小さい頃から常に動物に囲まれて育ってきたのです。一人っ子ということもあり、動物は私にとって兄弟のような存在でしたね。
しかし当時のワンちゃんや猫ちゃんは病気にかかることが多く、5~8年しか生きられませんでした。生き死にを目の当たりにする中で、子どもながらに「獣医さんになって動物を助けたい」という思いが芽生えたのです。その思いは一度も揺らぐことなく獣医大学に進み、生まれ育った地元・横浜で開業いたしました。
人間の病院と同じように、動物病院でも「町のお医者さん」は重要な役割を担います。飼い主さんや動物達と最初に接触するのは我々ですから、いい加減なことはできませんよね。
「町のお医者さん」にとって大切なのは、欲張りすぎないことです。何でも自分で診ようと手を広げすぎると、動物を助けるという本来の目的が果たせなくなってしまいます。ですから、必要に応じて専門の先生や大学病院をご紹介するのはとても大事なことなのです。
理想像は、動物にとって最良の選択ができ、かつ親切で、心配なことがあれば何でも相談できる存在です。つまり、優秀なホームドクターですね。当院にはスタッフが大勢おりますから、次の世代の優秀な先生を育てることも私の目標です。
若い先生方には、「我々は小児科医であり、精神科医である。獣医さんでありつつ、その2つを守りなさい」と教えています。これは、私自身が診療を通して学んだことです。
まず小児科医というのは、「診る動物は皆子どもだと思え」ということです。診療する動物は体も小さいですし、小さい子と同じく喋ることができません。正確な情報を飼い主さんに伝えられませんから、そこを見極めるためには小児科医のような視点が必要です。
そして、精神科医というのは飼い主さんに対する姿勢です。飼い主さんは、動物を心配して動物病院に足を運んでくださいます。その気持ちを理解し、不安をできるだけ和らげてあげることも我々の大切な務めなのです。
現在はアルバイトを含めて22~23名のスタッフがおり、そのうち9名が獣医師、あるいは獣医師をめざす学生さんです。彼らのように、現場で診療を始めたばかりの頃は、飼い主さんや動物達との接し方に戸惑うものです。そこをわかりやすくするために、こういう教え方をしています。何年か経験を積めば応用ができるようになりますから、その先は各々の性格によって個性が出てくるでしょうね。
そうですね。個性はもちろん、それぞれに得意分野もあります。例えば画像診断、皮膚科、行動学などですね。私も26000例ほどのオペを経験してきましたので、自ずと外科は上手になりました。もともと写真が趣味だったこともあり、画像診断も得意としています。
ただ、我々は得意分野に限らず、動物に関するあらゆる問題に対応できなくてはいけません。困った時に頼れるのは、町のホームドクターしかいないからです。対象動物もワンちゃん、猫ちゃんを始め、一般小動物と呼ばれるウサギやハムスター、鳥はニワトリやアヒルまでは診ています。サルやエキゾチックアニマルなどの特殊な動物は診ておりませんが、できるだけ門戸を広く構えるようにはしています。
マイスター動物病院
動物と飼い主、家族みんなの幸せが本当の幸せ。ささいなことでも相談しやすい病院です。
猫専用病院、ウェルネスセンターとも連携。低侵襲手術から日常の悩みまでどんなときもご相談ください。
猫と飼い主様が安心して通院できるように、建物全体を猫専用として、リラックスできる環境を整えています。