下田 正純院長 マイスター動物病院 | ドクターズインタビュー

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街の頼れる獣医たち vol.002
マイスター動物病院下田 正純院長
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横浜・山手の閑静な住宅街で、地域の獣医療を支える「マイスター動物病院」。年中無休の同院で、院長の下田正純先生は精力的に診療を行っている。動物に関する幅広い知識を身につけることはもちろん、明確な料金設定、親切な対応など、良質な診療体制の構築に余念がない下田先生。その背景にあるのは、幼少期から親しんできた動物への深い愛情だ。動物病院は、動物の命を守る場所。飼い主が安心して動物病院に通うことができれば、多くの動物が救われると下田先生は考える。目標は、「優秀なホームドクター」。20名を超えるスタッフとともに動物と飼い主を支える下田先生に、獣医師のあり方、印象深いエピソード、ホームドクターの見つけ方など、貴重なお話を伺った。(取材日 2015年4月13日)

目標は、地域に寄り添う「ホームドクター」

―先生は、なぜ獣医師をめざされたのですか?

獣医師は、小学校低学年からの夢でした。両親とも動物が大好きで、小さい頃から常に動物に囲まれて育ってきたのです。一人っ子ということもあり、動物は私にとって兄弟のような存在でしたね。
しかし当時のワンちゃんや猫ちゃんは病気にかかることが多く、5~8年しか生きられませんでした。生き死にを目の当たりにする中で、子どもながらに「獣医さんになって動物を助けたい」という思いが芽生えたのです。その思いは一度も揺らぐことなく獣医大学に進み、生まれ育った地元・横浜で開業いたしました。

―獣医師としての先生の目標、理想像を教えてください。

人間の病院と同じように、動物病院でも「町のお医者さん」は重要な役割を担います。飼い主さんや動物達と最初に接触するのは我々ですから、いい加減なことはできませんよね。
「町のお医者さん」にとって大切なのは、欲張りすぎないことです。何でも自分で診ようと手を広げすぎると、動物を助けるという本来の目的が果たせなくなってしまいます。ですから、必要に応じて専門の先生や大学病院をご紹介するのはとても大事なことなのです。
理想像は、動物にとって最良の選択ができ、かつ親切で、心配なことがあれば何でも相談できる存在です。つまり、優秀なホームドクターですね。当院にはスタッフが大勢おりますから、次の世代の優秀な先生を育てることも私の目標です。

―後進の育成に向けて、どのような指導をされていますか?

若い先生方には、「我々は小児科医であり、精神科医である。獣医さんでありつつ、その2つを守りなさい」と教えています。これは、私自身が診療を通して学んだことです。
まず小児科医というのは、「診る動物は皆子どもだと思え」ということです。診療する動物は体も小さいですし、小さい子と同じく喋ることができません。正確な情報を飼い主さんに伝えられませんから、そこを見極めるためには小児科医のような視点が必要です。
そして、精神科医というのは飼い主さんに対する姿勢です。飼い主さんは、動物を心配して動物病院に足を運んでくださいます。その気持ちを理解し、不安をできるだけ和らげてあげることも我々の大切な務めなのです。
現在はアルバイトを含めて22~23名のスタッフがおり、そのうち9名が獣医師、あるいは獣医師をめざす学生さんです。彼らのように、現場で診療を始めたばかりの頃は、飼い主さんや動物達との接し方に戸惑うものです。そこをわかりやすくするために、こういう教え方をしています。何年か経験を積めば応用ができるようになりますから、その先は各々の性格によって個性が出てくるでしょうね。

―それだけ大勢いらっしゃると、スタッフさんの個性も十人十色でしょうね。

そうですね。個性はもちろん、それぞれに得意分野もあります。例えば画像診断、皮膚科、行動学などですね。私も26000例ほどのオペを経験してきましたので、自ずと外科は上手になりました。もともと写真が趣味だったこともあり、画像診断も得意としています。
ただ、我々は得意分野に限らず、動物に関するあらゆる問題に対応できなくてはいけません。困った時に頼れるのは、町のホームドクターしかいないからです。対象動物もワンちゃん、猫ちゃんを始め、一般小動物と呼ばれるウサギやハムスター、鳥はニワトリやアヒルまでは診ています。サルやエキゾチックアニマルなどの特殊な動物は診ておりませんが、できるだけ門戸を広く構えるようにはしています。

尊い命を守るため、安心価格の医療を提供

―飼い主さんからは、どういったご相談を受けることが多いですか?

最も多いのはやはり病気ですが、飼い方、トラブル、動物に原因する悩みなど、さまざまなご相談を受けます。
病気に関しては、季節によってご相談の内容が変わってきます。冬は風邪、春は狂犬病やフィラリア、夏は食中毒や皮膚病ですね。人間と同じく、動物も季節の影響を受けるのです。飼い方は、子ども達から聞かれることが多いです。音や匂いなど、動物を飼われていない近隣の方とのトラブルも多発していますね。以前は交通事故や咬傷、つまり動物に噛まれたというご相談も多かったです。
また、ご質問に答えるだけでなく、時には指導をさせていただくこともあります。中には、動物を可愛がりすぎてしまう飼い主さんがいらっしゃるのです。いくら可愛くても、欲しがる物を何でも食べさせては体を壊してしまいます。もちろん飼い主さんのお考えですから無理強いはしませんが、時間をかけて指導を続ければ、意識を変えることはできるのです。
最近注意しているのは、ネット上の情報ですね。もちろん動物に関する正しい知識も得られますが、ネット上には間違った情報もあふれています。人間は、文字に起こされると正しい情報だと錯覚してしまいがちです。ネットを鵜呑みにしてしまう方も多いのですが、「それは違うよ」と指摘し、正しい知識を教えることも我々の務めだと考えています。

―ホームページに料金の目安を掲載されているのは、動物病院では珍しいですね。

先ほど申し上げたように私は動物が多い家で育ちましたので、動物病院に行くことも時折ありました。その度に気がかりだったのが、料金がわからないことです。きっと、動物病院を訪れる時に誰もが思うことですよね。医療では決まった料金設定をすることはできませんが、やろうと思えば目安はつけられます。ですから皆さんの不安を和らげるために、目安となる料金をお出ししているのです。

―初診料600円、再診料0円というのは非常に良心的ですね。

明朗会計をすれば、料金はそれほどかからないものです。例えば初診料600円というのは、事務費と診察券の製作費です。それに、人間は保険の都合で再診料がかかりますが、動物の場合は必要ありませんよね。そうやって計算した結果、自然とこの料金になったのです。
診療の際は入院費や検査代がかかりますが、こちらも最低限の料金設定にしています。例えば、検査代は1項目400円が基本料金ですね。これは、いい治療をするためです。医療は命を扱う仕事ですから、勘で治療するわけにはいきません。しかし、検査のデータがないと正確な診断ができなくなってしまうのです。最近は皆さん積極的に検査を受けてくださるようになりましたが、一昔前は「高いから検査はしなくていい」という飼い主さんもいらっしゃいました。そこで、実費の料金もできる限り安くしたのです。
背景にあるのは、動物を飼ってほしいという思いです。動物が生まれるのは自然なことですし、生まれた命は誰かが面倒を見なくてはいけません。しかし、「お金がかかるから動物を飼うのはやめよう」ということになると、生まれた命が行き場をなくしてしまいます。そこを支えるために、飼い主さんに負担のかからない料金で獣医療を提供したいというのが私の考えです。

大切なのは、信頼できる動物病院を見つけること

―動物病院にとって大切なことは何だと思いますか?

時間、料金、内容です。料金は今申し上げた通りですし、時間も非常に大切です。病院ができる最大の親切は、いい機械を入れることではなく、いつでも対応することだと私は考えています。動物はいつ体調を崩すかわかりませんから、「お正月だから診られない」というわけにはいきません。ですから、当院ではお休みを取らずに診療を行っています。
内容というのは、医学的な技術や知識などの部分ですね。そこはホームドクターとして総合的に対応できるよう、スタッフ達とともに努力しているところです。当院は10年以上勤めてくれているスタッフが多く、皆優秀ですから信頼しています。親切・丁寧をモットーに、これからも動物を守り、飼い主さんを支えていきたいですね。

―長年獣医師としてご活躍されてきた中で、印象的なエピソードはございますか?

ボランティア精神には心を打たれることが多いですね。特に印象深いのは、50頭もの猫を飼っていたお母さんです。マンションを2部屋借り、そのうちの1部屋で引き取った動物達の面倒を見ていらっしゃいました。そちらに往診に伺ったとき、ドアを開けた瞬間に床が動いたんです。よく見ると、猫達が一斉に逃げたんですね(笑)それだけいると治療も大変でしたが、その方は非常に面倒見も良く、とても印象に残っています。
あとは、震災時ですね。もちろん獣医師会でも対応はしますが、ボランティアの方々も頑張っておられます。特に、今回の東日本大震災では多かったですね。お腹を空かせて歩いている子達を保護したり、里親を探してくださる方が震災直後から大勢いらっしゃったのが印象的です。

―ありがとうございました。最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

動物は変化が速いです。細胞の変化のスピードが人間よりも速い分、一旦病気をすると手遅れになることも多いですし、適切な治療をすれば早く治ります。ですから、何か気になることがあれば早めに近くの動物病院に電話をしましょう。もちろん実際に診せるのが一番ですが、まずは自己判断をせずに専門家に聞くことです。動物の状態を話せば、すぐに診察が必要かどうかを獣医師が判断します。心配であれば、複数の動物病院に電話をかけるといいでしょう。人間の場合は医師に電話相談をすることは少ないかもしれませんが、動物病院は人間の病院よりも遥かに敷居が低いです。ですから、何かあったときは早めに相談していただきたいです。
そして、ホームドクターを見つけることです。そのための判断材料になるのがクチコミですね。ネット上のクチコミも参考にはなりますが、匿名のクチコミは欠席裁判に近いものがあります。ですから、意見の信憑性はしっかり吟味していただきたいです。
あとは、近隣の方のクチコミも大事です。お散歩中などに、複数の飼い主さんに「いい病院はある?」と聞いてみてください。人によって意見はそれぞれでしょうが、2~3人が薦めたのであれば「当たり」の可能性が高いです。実際に電話をかけてみて、親切に対応してくれるかを見極めてもいいでしょう。
今は動物に関する本もたくさん出ており、皆さん飼い方などをよく勉強されているのでこちらも安心しています。昔のように残り物で動物を育てる飼い主さんはほぼいませんし、以前多く見られたフィラリアやジステンパーなども予防の意識が深まったおかげでだいぶ少なくなりました。命を長く保てるよう、ぜひ信頼できるホームドクターを見つけ、動物の健康を守ってあげてください。

地域に密着した優秀なホームドクターを目指して

マイスター動物病院

場所
神奈川県横浜市中区千代崎町1丁目3 MAP
電話
045-622-0201
診察動物
イヌ ネコ ウサギ ハムスター フェレット モルモット リス 鳥
診察領域
歯と口腔系疾患 眼科系疾患 皮膚系疾患 脳・神経系疾患 循環器系疾患 呼吸器系疾患 消化器系疾患 肝・胆・すい臓系疾患 腎・泌尿器系疾患 内分泌代謝系疾患 血液・免疫系疾患 筋肉系疾患 整形外科系疾患 耳系疾患 生殖器系疾患 感染症系疾患 寄生虫 腫瘍・がん 中毒 心の病気 東洋医学 けが・その他

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