腹腔鏡による低侵襲の肝臓生検で、慢性肝炎の早期発見・早期治療
手術痕は最大5mm。腹腔鏡による肝生検で、ワンちゃんの身体への負担を最小限にとどめます。
- カトウ獣医科クリニック 神奈川県横浜市港北区
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- 加藤 直之 院長
子供の頃から動物が好きで「動物園の飼育員になりたい」と思っていました。実は大工を目指した時期もあったのですが、高校生当時に好きだった女の子と同じ大学に進学したいという思いで、慌てて大学受験の勉強を始めました。残念ながらその子と同じ大学には進めなかったのですが、あらためて「動物の勉強をしたい」と思って獣医学科に進みました。…動機が不純ですね(笑)
東京に憧れがあり、出身の京都を離れて足立区で開業しました。勤務医としてお世話になった先生方に支援していただき開業したのですが、当時は自分の家を借りるお金がなく、入院室で寝泊まりをする生活でした。入院中の子の様子をいつでも見られるのは良かったものの、布団がおしっこまみれになったり鳥の羽だらけになったりと大変でしたね。
開院して今年(2017年)で30年。開業してから5年ほど1人で診察をしていたのですが、スタッフが少しずつ増えていき、現在は獣医師・動物看護師・トリマーのスタッフを合わせて40名弱という大所帯の病院となりました。
開業してはじめて手術をした時のことが印象に残っています。犬の帝王切開だったのですが、一人で麻酔をかけ、子犬を取り上げて蘇生させ、産声をあげたら飼い主さんにパスをして、その間にお母さん犬を診て…と本当に大変でした。「最後までやり切った」という達成感もありましたが、一人で処置を行うことの限界も感じました。やはり、スタッフの人数が多いからこそ提供できる医療があると思っています。
スタッフ全員で診療にあたることです。人数が多いので、外来から入院中の子までしっかりとケアをすることができます。また、一人ではどうしても視点が偏ってしまうのですが、複数名が診療をすることで見落としを防げます。勉強熱心な先生が多いことも特徴ですね。先生によって得意分野が異なるので、意見交換を積極的に行い、より多くの動物の手助けとなれるようにスタッフ皆で知識や技術を磨いています。
最新のCTを導入し、無麻酔で検査を行えるようになりました。従来の機器では撮影に時間がかかるため麻酔が必要でしたが、新しく導入したCTは数秒で撮影が終わるため、麻酔をかける必要がありません。この機械であれば、じっとしていられない子であってもタオルでくるんだり鎮静剤を使ったりする程度で検査が可能です。
動物の身体に負担がかからないので、より安全に検査を受けられます。病院としても、短時間で検査ができるようになった分、治療に時間をかけられるようになりました。
椎間板ヘルニアや関節炎、眼疾患などさまざまな病気の治療で、幹細胞療法を導入しています。脂肪から幹細胞を取り出して培養し、投与することで、炎症を抑え組織の修復を助ける効果を発揮するのです。より多くの幹細胞を投与したほうが効果を見込めるので、若い子の飼い主さんに協力いただき、避妊手術時などに細胞を分けてもらい、他の子に投与しています。
幹細胞療法はリスクが少ない治療法ですが、まだ確立した治療ではありません。ですから、最初から幹細胞療法を勧めることはせず、まずは効果が認められている治療を行った上で、それでも治らない場合に提案しています。
ヒトのがん治療では免疫療法が主流になりつつありますが、将来的には獣医療でも確立した治療となるはずです。そうなった時に新しい治療をすぐに取り入れられるように、今から準備をしています。
「動物と楽しく暮らす」ということを大切にしてください。生活に余裕がないと、動物が病気になったときに面倒を見きれなかったり、相手ができずに寂しがらせてしまったりするかもしれません。動物と一緒にいることが負担になる飼い方は、動物にとっても良い環境ではありません。動物と一緒に暮らす中で、楽しい思い出をたくさん増やしてほしいと思っています。
僕たちは、人と動物がお互いに幸せになれるような環境作りのお手伝いをしています。少しでも地域の皆さんに貢献できていれば嬉しいですね。
梅島動物病院
手術痕は最大5mm。腹腔鏡による肝生検で、ワンちゃんの身体への負担を最小限にとどめます。
ストレスにも関連して発症する、猫の特発性膀胱炎。緊急性が高いケースもあり、速やかな受診が大切です。
飼い主様の大切なペットを“治療する喜び”が原動力、様々な内視鏡を駆使し正確な診断と治療を目指します。